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最高裁平成21年3月3日判決

この判決は「消滅時効の起算点」を判断した
最高裁判決3部作の2つ目の判決です。
今さらという感じもしますが、まとめとして。
(「消滅時効の起算点」の説明はコチラをご覧下さい。)

この判決で特筆すべき点は、
裁判官の反対意見が記載されていることです。

結果的には、多数決の原理によって、
判決には影響はありませんでしたが、
同調できる部分もあり、とても参考になりました。

本当に借主にメリットがあるのか?
ちょっと考えさせられる部分もあります。

現に、消費者金融の審査も、年々厳しくなり、
借りにくくなっているのも事実です。

簡単に借りれなくなったというのは、
ある意味、いい事なんですが、
本当に本当にお金が必要な人にとっては、ピンチです。

本来、このような人に対しては、
行政がバックアップするべきだと思うのですが、
イマイチ頼りないので...。

最高裁判所には、
第一小法廷・第二小法廷・第三小法廷とありますが、
この判決は、最高裁判所第二小法廷で出されたものです。

同年1月には第一小法廷で、後日には第三小法廷でも
同趣旨の判決が出ています。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

1 原判決を次のとおり変更する。

 (1) 第1審判決を取り消す。

 (2) 被上告人は,上告人に対し,635万8798円及びうち633万2772円に対する平成18年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 訴訟の総費用は被上告人の負担とする。

理 由

上告代理人瀧康暢ほかの上告受理申立て理由第2章及び第3章について

1 本件は,上告人が,被上告人に対し,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引に係る弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると,過払金が発生していると主張して,不当利得返還請求権に基づき,その支払を求める事案である。

被上告人は,上記不当利得返還請求権の一部については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成したと主張してこれを争っている。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。

 (1) 被上告人は,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号により法律の題名が貸金業法と改められた。)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

 (2) 上告人は,遅くとも昭和54年1月18日までに,被上告人との間で,継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される金銭消費貸借に係る基本契約(以下「本件基本契約」という。)を締結した。

上告人と被上告人は,同日から平成18年10月3日までの間,本件基本契約に基づき,第1審判決別紙1「原告主張書面」添付の計算書の「借入額」欄及び「返済額」欄記載のとおり,継続的な金銭消費貸借取引を行った(以下「本件取引」という。)。

 (3) 本件取引における弁済は,各貸付けごとに個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,本件基本契約に基づく借入金の全体に対して行われるものであり,本件基本契約は,過払金が発生した場合にはこれをその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下「過払金充当合意」という。)を含むものであった。

過払金充当合意に基づき,本件取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当した結果は,原判決別紙「利息制限法に基づく法定金利計算書」記載のとおりであり,最終取引日である平成18年10月3日における過払金は633万2772円,同日までに発生した民法704条所定の利息は2万6026円である。

 (4) 上告人は,平成19年1月11日に本件訴えを提起した。被上告人は,平成9年1月10日以前の弁済によって発生した過払金に係る不当利得返還請求権については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成していると主張して,これを援用した。

3 原審は,前記事実関係の下において,要旨次のとおり判断して,上告人の請求を375万9260円及びうち374万4000円に対する平成18年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で認容すべきものとした。

過払金に係る不当利得返還請求権(以下「過払金返還請求権」という。)は,個々の弁済により過払金が生じる都度発生し,かつ,発生と同時に行使することができるから,その消滅時効は,個々の弁済の時点から進行するというべきである。

上告人は,過払金返還請求権は,取引が終了した時点(本件においては平成18年10月3日)に確定し,その権利行使が可能になるから,上記時点を消滅時効の起算点と解すべきであると主張するが,借主は取引が終了するまで既発生の過払金の返還を請求できないわけではないから,上記主張は失当である。

したがって,平成9年1月10日以前の弁済により発生した過払金返還請求権については,発生から10年の経過により消滅時効が完成した。同日以降の弁済により発生した過払金は,原判決別紙「利息制限法に基づく法定金利計算書」記載のとおり374万4000円であり,これに対する平成18年10月3日までに発生した民法704条所定の利息は1万5260円である。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

前記のような過払金充当合意においては,新たな借入金債務の発生が見込まれる限り,過払金は同債務に充当されることになるのであって,借主が過払金返還請求権を行使することは通常想定されていないものというべきである。したがって,一般に,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金債務への充当の用に供するという趣旨が含まれているものと解するのが相当である。そうすると,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,過払金返還請求権の行使を妨げるものと解するのが相当である。

なお,借主は,基本契約に基づく借入れを継続する義務を負うものではないので,一方的に基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引を終了させ,その時点において存在する過払金を請求することができるが,それをもって過払金発生時からその返還請求権の消滅時効が進行すると解することは,借主に対し,過払金が発生すればその返還請求権の消滅時効期間経過前に貸主との間の継続的な金銭消費貸借取引を終了させることを求めるに等しく,過払金充当合意を含む基本契約の趣旨に反することとなるから相当でない(最高裁平成17年(受)第844号同19年4月24日第三小法廷判決・民集61巻3号1073頁,最高裁平成17年(受)第1519号同19年6月7日第一小法廷判決・裁判集民事224号479頁参照)。

したがって,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である(最高裁平成20年(受)第468号同21年1月22日第一小法廷判決・裁判所時報1476号2頁参照)。

5 これを本件についてみるに,前記事実関係によれば,本件基本契約は過払金充当合意を含むものであり,本件において前記特段の事情があったことはうかがわれないから,本件取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は本件取引が終了した時点から進行するというべきである。

そして,前記事実関係によれば,本件取引は平成18年10月3日まで行われていたというのであるから,上記消滅時効の期間が経過する前に本件訴えが提起されたことは明らかであり,上記消滅時効は完成していない。これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は上記の趣旨をいうものとして理由があり,原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れない。以上説示したところによれば,上告人の請求は理由があるから,原判決を主文のとおり変更することとする。

よって,裁判官○○○○の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

裁判官○○○○の反対意見は,次のとおりである。

私は,多数意見と異なり,過払金返還請求権の消滅時効は,その発生時から進行すると解すべきものであると考える。したがって,それと同旨の見解に立って,平成9年1月10日以前の弁済により発生した過払金返還請求権については,発生から10年の経過により消滅時効が完成したとして,その部分について上告人の請求を棄却した原判決に違法な点はなく,本件上告は,棄却されるべきである。以下,その理由を敷衍する。

1 金銭消費貸借において,借主が利息制限法所定の利率を超える利息を支払った場合には,その過払金発生の都度,不当利得返還請求権が発生し,借主は,その発生と同時にその請求権を行使することができる。

そのことは,金銭消費貸借にかかる基本契約において,過払金が発生した場合には,これをその後の新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものであっても同様であり,かかる合意の存在は,過払金返還請求権の行使において,法律上又は事実上何らの支障を生じさせるものではない。

2 多数意見は,「一般に,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金債務への充当の用に供するという趣旨が含まれているものと解するのが相当である。」とするが,明示の特約が定められていないにもかかわらず,過払金充当合意に上記のような過払金返還請求権の行使時期に関する合意まで含まれていると解することは,契約の合理的な意思解釈の限度を超えるものであり,契約当事者が契約締結時に通常予測していたであろう内容と全く異なる内容の合意の存在を認定するものであって,許されないものというべきである。

また,過払金返還請求権は,法律上当然に発生する不当利得返還請求権であるところ,その精算に関する充当合意についてはともかく,その請求権の行使時期に関して予め合意することは,その債権の性質上,通常考えられないところである。

3 多数意見はまた,「借主は,基本契約に基づく借入れを継続する義務を負うものではないので,一方的に基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引を終了させ,その時点において存在する過払金を請求することができるが,それをもって過払金発生時からその返還請求権の消滅時効が進行すると解することは,借主に対し,過払金が発生すればその返還請求権の消滅時効期間経過前に貸主との間の継続的な金銭消費貸借取引を終了させることを求めるに等しく,過払金充当合意を含む基本契約の趣旨に反することとなるから相当でない。」とする。

しかし,過払金返還請求権を行使すれば,貸主は,事実上新たな貸付けに応じなくなる蓋然性は高く,その結果,借主との間の継続的な金銭消費貸借取引を終了させることになると見込まれるが,そうであるからといって,借主に,行使することのできる過去の過払金返還請求権を留保させながら,なお継続的な金銭消費貸借契約に基づき新たな借入れをなすことができる地位を保持させることが,法的に保護するに値する利益
であるとは考えられない。

多数意見のように,取引終了時から時効が進行すると解すると,その取引開始時が数十年前であり,不当利得返還請求権の発生がその頃に遡るものであっても,その後取引が継続されている限り,取引終了時から過払金発生時に遡って不当利得返還請求権を行使することができることとなり,現に本件においては,訴提起時から27年余も以前の過払金の請求が認められることとなる。

しかし,かかる事態は,商業帳簿の保存期間が10年であること(商法19条3項),時効制度が,長期間
の権利の不行使にかかわらず,その行使を認めることが,かえって法的安定を害しかねないことをもその立法理由とする制度であること等,期間に関する他の諸制度と矛盾する結果を招来することとなり,当事者に予測外の結果をもたらすことになりかねない。

また,多数意見のとおり,不当利得返還請求権の時効期間の始期が取引終了時になると解することになると,従来から金銭消費貸借にリボルビング方式を採用していた貸主は,その契約の始期が相当以前に遡るものについては,借主が新規の借入れをなした後に過去に遡って不当利得返還請求権を行使した場合には,新規の貸付金が10年以上前に生じたものを含む過払金と相殺充当されるほか,更に別途不当利得返還請求に応じなければならないこととなる可能性が存する以上,新規の融資に応じないこととなると見込まれるのであって,多数意見の解釈は,基本契約に基づいて長期間に亘って継続して融資を受けてきた借主が更に継続して融資を受けることを希望する場合の借主の利益に適うものとは必ずしも言えないのである。

多数意見の解釈によって利益を得るのは,既に基本取引契約を終了したうえで,不当利得返還請求権を現に行使し,あるいは行使しようとしている一部の借主に限られるのであって,かかる借主の保護のために,契約の意思解釈の枠組みを著しく拡大することは妥当とは言えない。

なお,多数意見は,上記の論理を展開したうえで,最高裁平成17年(受)第844号同19年4月24日第三小法廷判決及び最高裁平成17年(受)第1519号同19年6月7日第一小法廷判決を参照判決として引用する。

しかし,上記各引用判決は,いわゆる自動継続特約付の定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点に関する判例であるが,自動継続定期預金契約における自動継続特約は,預金者から満期日における払戻請求がなされない限り当事者の何らの行為を要せずに満期日において払い戻すべき元金又は元利金について,前回と同一の預入期間の定期預金契約として継続させる内容であることが預金契約上明示されているのであって,本件の如き不当利得返還請求権の消滅時効期間の始期に関する契約の意思解釈に関する先例としては,適切を欠くものというべきである。

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑




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posted by 過払い太郎 at 2009年05月29日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年1月22日判決

この判決は「消滅時効の起算点」を判断した有名な判決で、
今さらという感じもしますが、まとめとして。

過払い金返還請求の時効は10年とされていますが、
当時金融業者は、
「10年以上前の過払いについては支払義務は無い」と
主張していましたが、
この判決によって、10年以上前の過払いについても、
支払い義務があるということになりました。

う〜ん、自分で書いておきながら、イマイチ説明不足(笑)。

例えば、
1990年5月から2005年5月まで、
15年間の取引があったとします。
この取引の過払い金返還請求をするとすれば、
15年間で発生した過払い金と、2005年5月からの5%利息を
求めることになると思いますが、
当時の金融業者は、「返還請求の時効は10年」を理由に、
1999年5月以前の過払い金の支払義務は無いと主張していました。

結果、
「時効の起点は取引終了時点」とする判決が出て、
この例で言うと、時効の起点は2005年5月となりますので、
2015年5月までに訴えればOKということになりました。

なおかつ、
時効以前の取引も一連の取引とされるので、
15年間分の過払い金を丸々受け取ることができます。

この判決は、借主にとって、とても大きな決定でした。
(逆に、金融業者は相当ショックだったと思います。)

しかし、
この判決を受けて、
山口地裁が出した平成21年2月25日判決が波紋を呼び、
5%利息に抵抗する、新たな争点となりましたが、
借主の主張が認められそうなので、大丈夫だと思います。
(この件に関しては、コチラをご覧下さい。)

最高裁判所には、
第一小法廷・第二小法廷・第三小法廷とありますが、
この判決は、最高裁判所第一小法廷で出されたものです。

同年3月には、
第二小法廷・第三小法廷でも同趣旨の判決が出ています。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人山口正徳の上告受理申立て理由について

 1 本件は,被上告人が,貸金業者である上告人に対し,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引に係る弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると,過払金が発生していると主張して,不当利得返還請求権に基づき,その支払を求める事案である。

 上告人は,上記不当利得返還請求権の一部については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成していると主張して,これを援用した。

 2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

 貸主である上告人と借主である被上告人は,1個の基本契約に基づき,第1審判決別紙「法定金利計算書G」の「借入金額」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,昭和57年8月10日から平成17年3月2日にかけて,継続的に借入れと返済を繰り返す金銭消費貸借取引を行った。

 上記の借入れは,借入金の残元金が一定額となる限度で繰り返し行われ,また,上記の返済は,借入金債務の残額の合計を基準として各回の最低返済額を設定して毎月行われるものであった。

 上記基本契約は,基本契約に基づく借入金債務につき利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には,弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下「過払金充当合意」という。)を含むものであった。

 3 このような過払金充当合意においては,新たな借入金債務の発生が見込まれる限り,過払金を同債務に充当することとし,借主が過払金に係る不当利得返還請求権(以下「過払金返還請求権」という。)を行使することは通常想定されていないものというべきである。したがって,一般に,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金債務への充当の用に供するという趣旨が含まれているものと解するのが相当である。そうすると,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,過払金返還請求権の行使を妨げるものと解するのが相当である。

 借主は,基本契約に基づく借入れを継続する義務を負うものではないので,一方的に基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引を終了させ,その時点において存在する過払金の返還を請求することができるが,それをもって過払金発生時からその返還請求権の消滅時効が進行すると解することは,借主に対し,過払金が発生すればその返還請求権の消滅時効期間経過前に貸主との間の継続的な金銭消費貸借取引を終了させることを求めるに等しく,過払金充当合意を含む基本契約の趣旨に反することとなるから,そのように解することはできない(最高裁平成17年(受)第844号同19年4月24日第三小法廷判決・民集61巻3号1073頁,最高裁平成17年(受)第1519号同19年6月7日第一小法廷判決・裁判集民事224号479頁参照)。

 したがって,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である。

 4 これを本件についてみるに,前記事実関係によれば,本件において前記特段の事情があったことはうかがわれず,上告人と被上告人の間において継続的な金銭消費貸借取引がされていたのは昭和57年8月10日から平成17年3月2日までであったというのであるから,上記消滅時効期間が経過する前に本件訴えが提起されたことが明らかであり,上記消滅時効は完成していない。

以上によれば,原審の判断は結論において是認することができる。論旨は採用することができない。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑

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posted by 過払い太郎 at 2009年05月28日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年4月14日判決

え〜、今日は得意の丸投げで(笑)。

いつもお世話になっている、yuukiさんのブログから

「冬は必ず春となる 勇気でgo!」
http://yuuki.air-nifty.com/go/
「■最高裁平成21年04月14日判決(貸金請求本訴,損害賠償等請求反訴事件「借り手側に不利な判決」)と(解説先),その他情報」
http://yuuki.air-nifty.com/go/2009/04/210414-1083.html

最高裁平成21年4月14日判決で
「借り手側に不利な判決」というニュースを知りました。
(「裁判所・判例検索システム」から「判決PDF」)

本件は特殊な事例だとは思いますが、
最近は雰囲気的に嫌な流れになっています...。

実は、このニュースや、
先の大阪高裁・山口地裁の判決等をエントリーすることに、
少なからず、ためらいの気持ちを持っていました。
(マイナスイメージのエントリーですので...。)

過払金返還請求者の資料になればと考え、エントリーしていますが、
WEBにアップする以上、誰でも見ることができるので、
業者側にも情報が伝わることになります。
(弱小ブログなので影響力は少ないと思いますが...。)

相手に反論を与える可能性があるというデメリットはありますが、
それ以上のメリットがあると考えて、エントリーしました。

良いことも悪いことも、みんなひっくるめて、
「如何に自分に都合のいい主張をできるか?」がポイントだと思います。

裁判で使う使わないは別として、事前に知識として知っておけば、
必要以上にビビる必要もないかな?とも思います。

過払金返還請求についても、日々変化していると思うので、
ある程度の情報収集&先の見通しも必要だと思います。

私みたいに、
「勢い」で突っ走って、ヘタレにならないで下さいね(笑)。

↓↓↓↓↓↓ ここから 2009/04/18 追記 ↓↓↓↓↓↓

いつもお世話になっている金田さんの
「本人訴訟日記(以前→過払い金請求日記)」より
http://ameblo.jp/tententenshoku/
「新たなる争点(期限の利益喪失後、再付与したかどうか)A」で
http://ameblo.jp/tententenshoku/entry-10244468189.html

分かりやすい解説がありました。
とても参考になりますので、ぜひ一読ください。

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posted by 過払い太郎 at 2009年04月17日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大阪高裁平成20年4月18日控訴審判決

これは「取引終了までの過払金は発生しない」とした
大阪高裁の平成20年4月18日判決をタイプしたものです。

判決をネットで調べたのですが、分からなかったので、
参考文献として、自分で打ち直したものです。

誤字や判決のリンクがあれば、教えていただけると助かります。

CFJは、当判決と山口地裁平成21年2月25日判決
において、「取引終了までの過払利息は発生しない」
との判決が出たと主張しています。

また、
控訴審の場合、原審がないと理解するのに苦労しますので、
原審である京都地方裁判所平成19年(ワ)第1456号については、
現在調査中です。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

平成20年4月18日判決言渡

平成19年(ネ)第3343号 不当利得返還請求控訴事件
(原審・京都地方裁判所平成19年(ワ)第1456号)

判 決

控訴人(1審原告) 一般の方
          代理人 弁護士

被控訴人(1審被告) プロミス株式会社

主 文

1 原判決を次のとおり変更する。

 (1) 被控訴人は,控訴人に対し,185万6024円及びこれに対する平成9年8月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 (2) 控訴人のその余の請求を棄却する。

2 控訴費用は,第1,第2審を通じ,これを4分し,その1を控訴人の負担とし,その余を被控訴人の負担とする。

3 この判決の主文第1項(1)は,仮に執行することができる。

事実及び理由

第1 控訴の趣旨

 1 原判決を次のとおり変更する。

 2 被控訴人は,控訴人に対し,229万4826円並びに,うち185万6024円に対する平成9年8月30日から,うち18万円に対する平成19年6月5日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 3 控訴費用は,第1,第2審とも被控訴人の負担とする。

 4 仮執行宣言

第2 事実の概要

 1 事実の要旨

   本件は,控訴人が貸金業者である被控訴人に対し,控訴人は,昭和60年8月23日から平成9年8月29日まで,被控訴人との間で,継続的に金銭の借入れと弁済を繰り返してきたところ,その一連の取引について利息制限法に基づいて充当計算すると185万6024円の過払金が生じているとして,@不当利得返還請求権に基づき,上記過払金185万6024円,平成9年8月29日までの法定利息25万8802円,及び,上記185万6024円に対する同月30日から支払い済みまで民法所定の年5分の割合による法定利息の支払を求めるとともに,A民法704条後段に基づき,弁護士費用18万円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成19年6月5日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

   原判決は,控訴人の請求を一部認容し,控訴人が上記請求の全部認容を求めて本件控訴を提起したものである。

 2 前提となる事案は,原判決第二,二(2頁15行目から3頁5行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。

 3 争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり,当審における主張を付加するほかは,原判決第二,三及び四(3頁6行目から5頁22行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。

 【控訴人の当審における主張】

 (1)争点2(時効の起算点)について

   ア 本件では,昭和60年8月23日ころに極度額を50万円とする包括的金銭消費貸借契約が締結され,その後,昭和62年11月10日ころに極度額が70万円に増額され,これに基づき,控訴人は,被控訴人から昭和60年8月23日以降,平成9年8月29日までの間,借入と返済を繰り返していた(甲1)。


   イ このような基本契約に基づく1個の連続した貸付取引においては,借入金債務に対する各弁済は,各貸付毎に個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,基本契約に基づく借入金全体に対して行われるものであって,充当の対象となるのはこのような全体としての借入金債務であると解される。このような基本契約に基づく1個の連続した貸付取引においては,当事者は一つの貸付を行う際に,次の個別の貸付を行うことを想定しているのであり,複数の権利関係が発生するような事態が生ずることを望まないのが通常であることを照らしても制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,その後の発生する新たな借入金債務に充当することを合意しているものと解される(最高裁平成19年6月7日第一小法廷判決・民法61巻4号1537頁,最高裁平成19年7月19日第一小法廷判決・判例時報1981号15頁)。

   ウ 本件の場合,本件各貸付は,1個の連続した貸付取引であり,この基本契約に基づく債務の弁済は,各貸付毎に個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,基本契約に基づく借入金全体に対して行われ,充当の対象となるのも全体としての借入金債務であると認めるべきである。

     そして,基本契約に基づく借入金債務に対する各弁済金のうち,制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいるものと認められる。

     また,本件は,基本契約に基づき,限度額を定めて継続的に借入と返済を繰り返したものであり,実質的に一連の貸付であり,控訴人と被控訴人が,一つの貸付を行う際に次の個別の貸付けを行うことを想定しており,複数の権利関係が発生するような事態が生ずることを望まないのが通常であることに照らしても,制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,その後に発生する新たな借入金債務に充当することを合意しているということができる。

     したがって,本件において,過払金の不当利得返還請求権の金額が確定し,消滅時効が進行するのは,1個の連続した貸付取引の終了時,すなわち,平成9年8月29日であると解するのが相当である。

   エ ある時点において計算される過払金について,10年以上前の弁済によって生じた部分とそうでない部分とを計算によって区分することは不可能ではないが,1個の過払金返還請求権を人為的に区分し,前者は消滅時効によって消滅しており,後者だけが現存していると論じることは,通常,借主である控訴人の側で取引継続中に過払金が発生していると認識することが極めて困難であって,事実上不可能を強いることになること,加えて,過払金が発生している事実を貸主である控訴人に告げず,むしろ,違法な高金利を徴収し続けた被控訴人に資する判断となることから考えれば,妥当ではない。

   オ 控訴人が計算上,過払金の発生の都度遅延損害金を付加しているのは,取引終了時に,被控訴人に対する過払金返還債権の金額を確定するために行う作業において,控訴人と被控訴人の公平を図るために各弁済により生じる過払金に利息を付加しているだけのことであり,遅延損害金を付加して計算しているからといって,個々の不当利得返還請求権であることを認識しているわけではない。

 (2)争点4(民法704条後段に基づく弁護士費用の請求の可否及びその額)について

   ア 民法704条後段は,悪意の受益者が利得を返還しても損失者のもとに不当利得の原因たる事実から生じた損害であって,なお補填されないで残る損害を補填せよという規定であり,不当利得制度を支える公平の原理を貫くために認められたものであるから,不当利得返還請求権の性質を有する。よって,不法行為が成立する場合の損害賠償義務を定めたものではない。

   イ 本件の場合,控訴人が弁護士に依頼して返還請求を行わない限り,被控訴人が任意に過払金を返還することは全く考えられず,被控訴人には積極的に取引履歴を開示するなどして債権債務を清算すべき義務は存在しないことからして,弁護士費用は民法704条後段の損害に該当する。

   ウ 仮に,不法行為の要件を問題とするとしても,貸金業者が利息制限法1条1項の法定金利を超過する利息を徴収する行為は,強行法規である利息制限法に違反する行為であって,不法行為である。貸金業法43条1項は,このような行為について,一定の厳格な要件を満たした場合のみ,違法状態を解消して当該制限超過利息の約定を有効とし,もって,制限超過利息の徴収を正当化する規定にすぎないから,本件のように,貸金業法43条1項の適用の余地が全くない事案においては,何ら被控訴人による制限超過利息の徴収が正当化されるものではなく,原則として被控訴人には不法行為が成立する。

 【被控訴人の当審における主張】

 (1)争点2(時効の起算点)について

   ア 過払金は,利息制限法上限利率を超過する約定利息を元本に充当した結果,元本が計算上零になって以降,支払った各弁済が不当利得となるから,本件で控訴人が請求している権利は,単一の権利ではなく,個々の不当利得返還請求権集積した結果である。

   イ 控訴人は,過払金が発生する都度,民法704条所定の遅延損害金を付加している。利息が吹かされる人は,悪意の受益者を利益を受けた日,すなわち,不当利得返還請求権の発生日であるから,控訴人の主張するように最終取引日から不当利得返還請求権の消滅時効期間が起算されるのならば,遅延損害金が付加される日も最終取引日でなければならない。そして,当該不当利得返還請求権は単一の権利でなければならない。

     ところが,控訴人は,本件において各返済ごとに遅延損害金を付加しているから,消滅時効の起算日の主張とは裏腹に,自身が請求しているのは個々の不当利得返還請求権であると認識しているものと考えられる。

 (2)争点4(民法704条後段に基づく弁護士費用の請求の可否及びその額)について

   ア 民法704条後段の責任の性質

     民法704条後段は,不法行為責任を注意的に規定したものと解すべきである。

     この点,法定特別責任説もあるが,賠償すべき損害の範囲については,民法416条を基本とした損害賠償制度に回帰せざるを得ないという論理的解釈がある。そして,本件で,信頼利益を問題とするならば,控訴人の主張する弁護士費用は射程外となってしまう。

   イ 不法行為の成否

     債務者と貸金業者との取引関係の清算は,詐欺的な架空請求とは全く側面を異にしており,被控訴人に不法行為責任が成立するためには,要件事実として,故意過失が必要であるところ,本件において控訴人・被控訴人間の取引を利息制限法に引き直して計算すると過払金が発生するとしても,直ちに故意過失が認められるわけではない。利息制限法1条2項は、任意に支払った利息制限法所定の上限利率を超えた利息を返還しなくてよい旨を同時に定めており,貸金業者は貸金業法43条の各要件事実を満たせば過払金の給付保持力を得ることになる。大多数の債務者は,約定利息を返済し,存在的に「みなし利息」を肯定・許容していることを考えると,被控訴人に不法行為責任が成立するためには,被控訴人が,利息制限法に引き直して計算すると過払金が発生することを認識しているだけでは足りず,これに加えて,控訴人が将来過払金返還請求訴訟や債務整理を行い,みなし利息を認める意思がないということを確定的に認識していなければならない。

第3 当裁判所の判断

 1 争点1(被控訴人の悪意)について

 (1)原判決第三,一(5頁24行目から6頁4行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。

 (2)前記前提となる事実によれば,控訴人と被控訴人は,昭和60年8月23日,極度借入基本契約を締結し,控訴人は,昭和60年8月23日から平成9年8月29日まで,被控訴人から,原判決別紙1「計算書」の「年月日」欄記載の日に,「借入金額」欄記載の金額を借り入れ,「弁済額」欄記載の金額を弁済したものである。

    これによれば,控訴人は,随時6000円ないし50万円を借り入れており,当初の50万円の借入に対し,返済未了の間に,新たに18万円の借入がされるなど,以後,返済未了の間に新たな借入が繰りかえられていたこと,返済については,控訴人は,毎月,20日ないし末日までに返済をしているところ,返済額は,取引当初から平成5年末までは,2万円,2万5000円又は3万円が多く,平成6年1月以降は1万円,1万5000円又は2万円が多くなっていたことが認められる。このような借入と返済の経緯からすると,借入額と返済額の対応関係は認められず,累積された借入額全体に対し,返済が行われていると認められる。平成4年4月27日を最後として,新たな借入は行われていないが,これは,借入残高が極度額(その額は,当初の借入額が50万円であり,その後,相当額の返済後に,再び借入が繰り返されていることや,最終の返済額が41万余円であることなどから,50万円と推定される。)を超過していたことによるとも考えられる。したがって,当初契約に基づき計算した元利金を完済した取引終了時といえる平成9年8月29日以降は新たな借入や返済がされることがなくなったといえるものの,それまでの間は,新たな借入や返済の行われる可能性がなかったとはいえない。

    そうすると,本件各貸付は,基本契約に基づく連続した貸付取引であり,債務の弁済は,各貸付毎に個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,基本契約に基づく借入金全体に対して行われ,充当の対象となるのも全体としての借入金債務であると認められるから,控訴人と被控訴人は,一つの貸付を行う際に次の個別の貸付を行うことが想定される契約関係にあることを前提に,複数の権利関係が発生するような事態の生ずることを望まなかったものといえ,制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,その後に発生する新たな借入金債務に充当することを合意していたと認められる。

    したがって,本件において,過払金の不当利得返還請求権の金額や内容は,後の貸付の充当が行われたいこととなる取引最終日以降に確定するのであり、当該時点までは金額や内容が不確定,浮動的であって,後の貸付への充当の有無,充当額等により変動することが予想されるから,利得の金額や内容も不確定,不動的であり,これにつき利息を付して返還させることは,当該利息の金額や内容自体不確定,不動的である上,不当利得制度を支える公平の原理をも考慮すると,不相当である。

    本件において,上記最終完済日より前に取引が終了したといえないことは明らかであるから,控訴人主張の各日時をもって,上記利息を付することのできる開始時点とすることはできず,上記最終完済日以降,新たな借入や返済がされることがなくなり過払金の不当利得返還請求権の金額や内容が確定して取引が終了したということができ,当該時点からの利息を付した返還を認めることができる。

    控訴人の不当利息返還請求権は,原判決別紙1の計算書のとおり,最終完済日現在の過払金額185万6024円及びこれに対する平成9年8月30日から民法所定の約定利息(年5分)の支払を求める限度において認められる。

 2 争点2(時効の起算点)について

    上記のとおり,本件各貸付は,基本契約に基づく連続した貸付取引であり,債務の弁済は,各貸付毎に個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,基本契約に基づく借入金全体に対して行われ,充当の対象となるのも全体としての借入金債務であると認められ,過払金の不当利得返還請求権の金額や内容は,後の貸付への充当が行われないこととなる取引の終了時以降に確定するのであり,当該時点から当該請求権を行使得ることとなるから,同時点から消滅時効期間が進行するというのが相当であり,本件において,、上記最終完済日平成9年8月29日より前に取引が終了したといえないことは明らかであって,被控訴人主張の日時をもって,消滅時効期間の開始時点とすることはできず,本件訴え提起のされた平成19年5月18日までの間に消滅時効が完成したといえないから,被控訴人の消滅時効の抗弁は認められない。

 3 争点4(民法704条後段に基づく弁護士費用の請求の可否及びその額)について

   次のとおり付加するほか,原判決第三,四(8頁16行目から9頁9行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。

 (1) 民法704条後段は,不法行為が成立する場合の損害賠償義務を注意的に規定したものと解すべきである。悪意の利得者は,公平の見地から,利得に利息を付加して返還しなければならないとされるが,なお損害の賠償の責任を負うのは,故意又は過失に基づき損害を与えた場合,すなわち,不法行為の要件を備えたときとするのが公平の見地からすると妥当と考えられるからである。

 (2) 最高裁平成16年(受)第965号同17年7月19日第三小法廷判決・民集59巻6号1783頁は,貸金業者が,債務者から取引履歴の開示を求められた場合に保存している業務帳簿に基づいて取引履歴を開示すべき義務を認めたものにすぎず,貸金業者が債務者から開示を求められてもいないのに,積極的にその取引を開示するなどして,債権債務を清算すべき義務を認めたものではない。

 4 結論

   よって,控訴人の請求は,185万6024円及びこれに対する平成9年8月30日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容し,その余を棄却すべきであり,原判決を上記のとおり変更し,主文のとおり判決する。

(当審口頭弁論最終日 平成20年2月29日)

     大阪高等裁判所第8民事部

        裁判長 裁判官 ○○ ○○

            裁判官 ○○ ○○

       裁判官○○ ○○は,転官のため,署名,捺印できない。

        裁判長 裁判官 ○○ ○○

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posted by 過払い太郎 at 2009年04月16日 | Comment(2) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

札幌地裁平成20年12月17日判決

これは「過払金発生時から利息を支払え」とした
札幌地方裁判所の平成20年12月17日判決のPDFファイルを、
参考文献として、自分で打ち直したものです。
札幌地裁平成20年12月17日判決PDFファイル
兵庫県弁護士会 消費者問題判例検索システム」より )

ポイントとしては、

・過払発生時から過払利息を認めていること

・原告に支払った利息以上の支払い義務は無いとの、
被告(CFJ)の主張は認められなかったこと

・弁護士費用の一部が認められたこと

でしょうか。

誤字があれば、教えていただけると助かります。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

平成20年12月17日判決

平成20年(ワ)第112号 不当利得返還請求事件

判 決

原 告 一般の方
    代理人 弁護士

被 告 CFJ株式会社
 
主 文

 1 被告は,原告に対し176万1742円及び126万4399円に対する平成17年6月1日から,うち15万円に対する平成20年2月2日から各支払済みまで、年5分の割合による金を支払え。

 2 原告のその余の請求を棄却する。

 3 訴訟費用はき 被告の負担とする。

 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事 実

第1 当事者の求めた裁判

 1 請求の趣旨

 (1)被告は,原告に対し181万1742円及び126万4399円に対する平成17年6月1日から,うち20万円に対する平成20年2月2日から各支払済みまで、年5分の割合による金を支払え。

 (2)訴訟費用は,被告の負担とする。

 (3)仮執行宣言


 2 請求の趣旨に対する答弁等

 (1)原告の請求を棄却する。

 (2)訴訟費用は原告の負担とする。

   なお,被告は,訴状に対して上記(1)及び(2)の答弁をしたが,平成20年10月7日付訴えの変更申立書(被告に平成20年10月14日送達された。)の請求の趣旨に対しては答弁せず,請求の原因について認否を行わない。

第2 事案の概要

   本件は,原告が,被告に対し,被告との間で,平成2年5月1日から平成17年5月31日までの間,継続的な金銭消費貸借取引を行っていたところ,同取引を利息制限法の定める制限利率によって引き直した結果,別紙利息制限法に基づく法定金利計算書(以下「別紙計算書」という。)記載のとおり,過払金が発生したと主張して,不当利得返還請求として,上記過払金元本126万4399円,確定利息金34万7343円及び弁護士費用20万円の合計181万1742円並びにうち過払金元本126万4399円に対する最終取引日の翌日である平成17年6月1日から,弁護士費用20万円に対する本訴状送達の日の翌日である平成20年2月2日から各支払済みに至るまで,民法所定の年5分の割合による法定利息金の支払を求めた事案である。

これに対し被告は,(1)過払利息を借入金額の弁済に充当して過払金額を算出する計算方法,(2)被告の悪意の受益者該当性について争うとともに,抗弁として,(3)原告が,被告が取得した利息138万2053円を超えて過払金の返還を請求することは,権利の濫用により許されない旨主張するとともに(4)消滅時効を援用し,原告は,被告の消滅時効の援用は,信義則違反に当たる旨主張している。また,(5)被告は,原告の弁護士費用の請求についても争っている。

 1 前提事実(争いのない事実)

 (1)被告は,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号により法律の題名が貸金業法となった。以下「貸金業法」という。)による登録をうけた貸金業者である。

 (2)原告は,被告から,別紙計算書の年月日欄記載の各日に,同借入金額欄記載のとおり,金員を借り入れ,また,被告に対し,同支払金額欄記載のとおり,その返済をして,借入れと返済を繰り返した(以下「本件取引」という。)(甲1の2)。

 2 争点及びこれに対する当事者の主張の要旨

 (1)過払金額を算出する計算方法について

  (原告の主張)

   過払金の発生は,まず,充当により差引き計算を行い,債務を減少させた上で,充当する債務もなくなった場合に初めて,不当利得返還請求権により救済するという計算方法がとられるものであるから,過払金債権に基づく利息債権が発生する都度,当該過払利息を借入金額の弁済に充当して過払金額を算出する計算方法は合理的である。

  (被告の主張)

   悪意の受益者であるために過払金債権に付される過払利息を後に発生する借入金額の弁済に当然充当するのを相当とする法的根拠はなく,過払金債権とは別個独立して支払請求の対象となるというべきである。

 (2)被告の悪意の受益者性について

  (原告の主張)

   被告は,貸金業の登録業者であり,利息制限法を超える金利で貸付をしていることを知りながら,原告から返済を受けていたのであり,悪意の受益者に当たる。

  (被告の主張)

   争う。

 (3)被告からの権利の濫用の主張について

  (被告の主張)

   被告が原告との金融取引によって取得した利息は138万2053円であった。被告は,利息収益から資金調達コスト,本支店運営費,人件費,貸倒費用その他の費用を賄わなければならないのであって,それを全額返還することは,当然に大きな赤字である。したがって,原告が,被告が取得した利息138万2053円を超えて過払金の返還を請求することは,権利の濫用により許されない。

  (原告の主張)

   原告が被告に対して過払金の返還を求めているのは,被告が利息制限法を守らず違法な営業を行ってきたからであり,原告は,利息制限法の範囲内の正当な営業活動により生じる利益をはき出させようとしているものではないから,権利濫用には当たらない。

 (4)消滅時効の援用について

  (被告の主張)

   ア 過払金返還請求権は,過払金の発生ごとに存在し,かつ,それぞれの発生の時期から個別に消滅時効が進行する。したがって,本件取引のうち,本件訴訟が提起された平成20年1月21日の10年前である平成10年1月21日以前の取引において発生した不当利得返還請求権については,時効が完成しているから,被告はこれを援用する。

   イ 消滅時効の主張が信義則違反に当たるという原告の主張は争う。

  (原告の主張)

   ア 本件は,同一の貸主と借主の間で基本契約に基づき継続的に貸付けとその返済が繰り返される金銭消費貸借であり,一つの継続的金銭消費貸借として一連一体のものとして充当処理がなされるべきであり,取引継続中は,債務者は,債権者から貸付けを受ける可能性があるから,債務者が,継続的取引を終了させない限り,過払金の弁済期は到来しない。本件取引が終了したのは,平成17年5月31日であるから,未だ時効は完成していない。

   イ 原告からの信義則違反の主張被告は,従前,取引履歴の開示に非協力的であり,被告は,取引履歴の
開示を拒むことで,債務者の正当な権利行使である過払金返還請求の行使を妨害してきたのであるから,そのような被告が,平成110当時原告が取引履歴開示を求めて,過払金返還請求権を行使できたなどと主張することは,信義則に反して許されない。

 (5)弁護士費用について

  (原告の主張)

   民法704条後段の損害の範囲については,民法416条が準用されるから責任原因たる不当利得と相当因果関係にあるすべての損害が賠償対象になる。貸金業者は,過払金返還には極めて消極的であり,弁護士に委任して訴えを提起しなければ過払金の回収は極めて困難である。したがって弁護士に訴訟提起やその遂行を依頼することは通常生じる事態であるから,原告が本訴追行に要した弁護士費用は民法704条後段所定の損害に当たる。

  (被告の主張)

   民法704条後段の損害賠償義務は,不当利得者に不法行為責任が認められることが前提となると解釈するのが妥当であり,被告はいかなる不法行為も行っていないから,原告の民法704条後段に基づく弁護士費用の請求には理由がない。

第3 当裁判所の判断

 1 争点(1)過払金の計算方法について

   同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けと弁済が繰り返されていく継続的取引においては,当事者双方は,その一連の取引の中に複数の権利関係が発生するような事態が生じることは望んでおらず,既存の過払金については,その後の貸付けに係る債務に充当する意思を有しているとみるのが,当事者の合理的意思に合致するというべきであるから,基本契約に基づき借入金債務に対する弁済金のうち制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,その過払金及びその過払金から発生する過払利息分については,その後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意をも含んでいるものと解するのが相当である。

そこで,本件原告と被告間の金銭消費貸借についてみるに,前記前提事実のとおり,被告は貸金業者であり,原告は,被告との間で,別紙計算書のとおり,借入れと返済を繰り返していること,被告においては,原告につき同一の会員番号で取引を管理していると認められること(甲1の2)からすれば,原告と被告との間では,基本契約に基づき継続的に貸付けと返済が繰り返されていくことが予定されていたことが推認でき,これを覆すに足りる証拠はない。

そうすると,別紙計算書記載の各取引に基づいて発生した過払金返還請求権(過払利息も含む)はその後の貸付けに係る債務に充当されるものというべきであるから,これを充当されるものとした原告の計算方法は相当である。よって,この点に関する被告の主張は採用できない。

 2 争点(2)被告の悪意の受益者該当性について

   貸金業者が利息制限法の制限利率を超過する利息を受領したときには,貸金業法43粂1項の適用の要件を充足していたことはもとより,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り,民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるというべきである。

そして,本件において,貸金業者である被告は,本件各取引に貸金業法43条1項の適用があること,又は本件各取引時に同項の適用あるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情の存在について主張立証しない。

そうすると,本件においては,利息制限法の制限利率を超える利息の受領に基づいて発生する不当利得については,その不当利得が発生した時点から被告は悪意の受益者であったというべきである。よって,この点に関する被告の主張は採用できない。

 3 争点(3)本件請求が権利濫用となるかについて

   原告の請求は,利息制限法を超えた部分について,悪意の不当利得者として利息を含めて請求しているものにすぎない。被告の過払金返還額が,被告が取得した利息138万2053円を超える額になったとしても,それは,被告が制限超過利息分を長期間にわたり受け取ってきた結果であって,原告の請求は,正当な権利の行使であるから,権利の濫用には当たらないというべきである。

   よって,この点に関する被告の主張は採用できない。

 4 争点(4)消滅時効について

   被告は,過払金返還請求権は,過払金の発生ごとに存在し,かつ,それぞれの発生の時期から個別に消滅時効が進行するから,消滅時効の起算点は個々の過払金の発生時期である旨主張する。

しかしながら,上記1で検討したとおり,原告と被告との間の別紙計算書記載の各取引は,一連のものとして充当計算すべきものであり,これに基づいて発生した過払金請求権は,その後の貸付けに係る債務に充当されて消滅したり,その後の弁済により,再度新たな過払金が発生することを繰り返すことが予定されている。したがって,借主の貸主に対する不当利得返還請求権は,その間の継続的な取引が終了した時点で確定的に発生し,その時点から時効の進行が開始すると解するのが相当である。

そして,本件における一連の取引の最終取引日は,原告が被告に最後に返済した平成17年5月31日であるから,本件取引によって生じた過払金返還請求権の消滅時効期間は未だ経過していない。

よって,この点に関する被告の主張は採用できない。
なお,消滅時効の援用が権利濫用に当たるかについては,消滅時効が成立していないため,この点については判断しない。

 5 争点(5)弁護士費用について

 (1)前記前提となる事実及び上記1ないし4によれば,被告は,原告に対し,別紙計算書残元金欄記載のとおり過払金元本126万4399円及び確定利息金34万7343円の請求権を有するところ,本件訴訟の経過等からすれば,被告が,原告に対し,発生した過払金等の返還に容易に応じなかったことは明らかであり,原告としては,弁護士に委任して本件訴訟を提起,追行するのでなければ,不当利得の返還請求が困難であったと認めることができる。

したがって,相応な弁護士費用は,民法704条前段の利息の付加のみではまかなえない損害に該当するというべきである。この点に関する被告の主張は採用できない。


 (2)そして,原告が,弁護士に委任して本訴を提起したことは,当裁判所に顕著であるところ,本件の認容額,本件の経過等を総合考慮すると,不当利得返還請求と相当因果関係のある弁護士費用としては,15万円を認めるのが相当である。

 6 結論

   以上によれば,被告は,利息制限法所定の利率を超える部分につき,法律上の原因なく利得していたことになるから,別紙計算書のとおり充当計算し,過払金元本として126万4399円,確定利息金として34万7343円,弁護士費用として15万円の合計176万1742円及び過払金元本126万4399円については最終取引日の翌日である平成17年6月1日から,弁護士費用15万円については本訴状送達の日の翌日である平成20年2月2日から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払義務を負うことになる。

よって,原告の請求は主文の限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないのでこれを棄却し,主文のとおり判決する。

     札幌地方裁判所民事第1部

          裁判官  ○○ ○○

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posted by 過払い太郎 at 2009年04月13日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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