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東京地裁平成21年1月27日判決

これは、
「5%利息は過払金発生時から支払う」とした
東京地裁平成21年1月27日判決をリライトしたものです。

過払利息(5%)の発生は最終取引日とする
山口地裁平成21年2月25日判決」や
札幌高裁平成21年4月10日判決」とは、正反対の判決です。

判決原文については、
最新裁判例 法律相談のひろば ベル法律事務所」の
東京高等裁判所平成21年6月25日判決」をご覧下さい。

CFJは、
この判決を不服として、上告しましたが、「棄却」されました。
詳しくは「東京高裁平成21年6月25日判決」をご覧下さい。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

平成21年1月27日判決言渡

平成20年(ワ)第29269号 不当利得返還請求事件

判 決

原告 弁護士

被告 CFJ合同会社

主 文

 1 被告は,原告に対し,金329万6619円及びこれに対する平成20年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 訴訟費用は被告の負担とする。

 3 この判決は仮に執行することができる。

事実及び理由

 第1 請求

    主文同旨

 第2 当事者の主張

  1 原告

  (1)原告は,被告と金銭消費貸借契約を締結し,別紙計算書のとおり借入と返済を繰り返してきたが(以下「本件取引」という。),これを利息制限法所定の制限利率に引き直して計算すると,最終取引日である平成20年4月30日時点で,329万6619円の過払元本が生じている。

  (2)被告は,この間,返済金が利息制限法所定の制限利率を超過する利息であることを知りながら,返済金を受領してきた。

  (3)よって,原告は,被告に対し,不当利得返還請求権に基づき,前記過払元本及びこれに対する最終取引日の翌日から支払済みまで年5分の割合による利息(民法704条)の支払を求める。

  2 被告

    過払金は,新たな貸付金があった都度,貸付けと同時に合意充当されるものではない。基本契約から推認される「充当の合意」とは,取引が終了した時点での過払金と借入金の清算の方法に関する合意である。したがって,最終取引日時点での過払元本は268万2775円にとどまる。

 第3 当裁判所の判断

  1 原告と被告との間の本件取引の経過が別紙計算書の年月日欄,借入金額欄,弁済額欄記載のとおりであることは当事者間に争いがない。

  2 被告は,過払金の計算方法について前記のとおり主張しているが,本件取引のような一個の基本契約に基づく一連一体の取引においては,当事者は,複数の権利関係が発生するような事態が生ずることを望まないのが通常であることに照らし,制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,その後に発生する新たな借入金債務に充当することを合意しているものと解され,そうすると,充当の方法としても新たに発生した借入金債務に直ちに充当する旨の合意であると解するのが相当であり,過払金と新たな借入金に対する返済とを分けて計算し,取引終了時点でこれを清算する旨の充当合意であるとの被告の主張は,独白の見解であってこれを採用することはできない。

  3 よって,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑




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posted by 過払い太郎 at 2009年07月21日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年7月14日判決

この判決は「期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決以前に貸金業者が同特約の下で制限超過部分を受領したことのみを理由に,当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない」と判断した、最高裁判決です。

これは、第三小法廷の判決ですが、
第二小法廷(最高裁平成21年7月10日判決)でも、
同じような判断をされています。

「大勢に影響が無い」というのが、大方の見方ですが、
これを盾にゴネる業者も出てきていますので、
冷静にしっかりと対応してください。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

 1 原判決中,不当利得返還請求についての上告人の控訴を棄却した部分を破棄する。

 2 前項の部分につき,本件を東京高等裁判所に差し戻す。

 3 上告人のその余の上告を却下する。

 4 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人山田有宏ほかの上告受理申立て理由第3について

 1 本件は,被上告人らが,それぞれ,貸金業者である上告人に対し,上告人との間の金銭消費貸借契約に基づいてした弁済につき,利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当すると過払金が発生しており,かつ,上告人は過払金の取得が法律上の原因を欠くものであることを知っていたとして,不当利得返還請求権に基づき過払金及び民法704条前段所定の利息(以下「法定利息」という。)の支払等を求める事案である。

2 原審の確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。

 (1) 上告人は,貸金業法(平成18年法律第115号による改正前の法律の題名は貸金業の規制等に関する法律。以下,同改正の前後を通じて「貸金業法」という。)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

 (2) 上告人は,
  ア被上告人X に対し,第1審判1 決別紙「法定金利計算書1」の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成7年9月18日から平成16年11月17日までの間に15回にわたって,
  イ被上告人X に対し,第1審判2 決別紙「法定金利計算書2」の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成7年7月5日から平成15年1月6日までの間に16回にわたって,
  ウ被上告人X3に対し,第1審判決別紙「法定金利計算書3」の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成8年2月5日から平成16年9月3日までの間に17回にわたって,
  エ被上告人X4に対し,第1審判決別紙「法定金利計算書4」の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成8年1月4日から平成18年1月10日までの間に21回にわたって,
  オ被上告人X5に対し,第1審判決別紙「法定金利計算書5」の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成8年1月9日から平成18年2月2日までの間に20回にわたって,
  カ被上告人X6に対し,第1審判決別紙「法定金利計算書6」の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成7年2月24日から平成18年2月14日までの間に14回にわたって,
  それぞれ金員を貸し付けた(以下,これらの貸付けを「本件各貸付け」と総称する。)。

  本件各貸付けにおいては,
  @ 元本及び利息制限法1条1項所定の制限を超える利率の利息を指定された回数に応じて毎月同額を分割して返済する方法(いわゆる元利均等分割返済方式)によって返済する,
  A 被上告人らは,約定の分割金の支払を1回でも怠ったときには,当然に期限の利益を失い,上告人に対して直ちに債務の全額を支払う(以下「本件特約」という。)との約定が付されていた。

 (3) 本件各貸付けに係る債務の弁済として,
  ア被上告人X は,第1審判決別1 紙「法定金利計算書1」の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成7年10月13日から平成17年10月17日までの間,
  イ被上告人X2は,第1審判決別紙「法定金利計算書2」の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成7年8月3日から平成15年4月1日までの間,
  ウ被上告人X3は,第1審判決別紙「法定金利計算書3」の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成8年3月5日から平成16年11月2日までの間,
  エ被上告人X4は,第1審判決別紙「法定金利計算書4」の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成8年2月5日から平成18年1月10日までの間,
  オ被上告人X5は,第1審判決別紙「法定金利計算書5」の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成8年2月6日から平成18年2月2日までの間,
  カ被上告人X6は,第1審判決別紙「法定金利計算書6」の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成7年3月25日から平成18年3月13日までの間,
  それぞれ上告人に金員を支払った(以下,これらの各支払を「本件各弁済」と総称する。)。

 3 原審は,上記事実関係の下において,次のとおり判断した上,第1審判決別紙「法定金利計算書1」ないし「法定金利計算書6」のとおり,制限超過部分が貸付金の元本に充当されることにより発生した過払金及びこれに対する法定利息がその後の貸付けに係る借入金債務に充当され,その結果,被上告人X1,同X2,同X3及び同X6については,最終の取引日の時点で過払金及び法定利息が,被上告人X4及び同X5については,最終の取引日の時点で過払金が,それぞれ存するとして,それらの過払金及び法定利息の合計額(被上告人X4及び同X5については過払金)並びに過払金に対する最終の取引日の翌日から支払済みまでの法定利息の支払を求める限度で,各被上告人の上告人に対する不当利得返還請求を認容すべきものとした。

 (1) 最高裁平成16年(受)第1518号同18年1月13日第二小法廷判決

  ・民集60巻1号1頁(以下「平成18年判決」という。)は,債務者が利息制限法1条1項所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約(以下「期限の利益喪失特約」という。)の下で制限超過部分を支払った場合,その支払は原則として貸金業法43条1項(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない旨判示している。

  また,最高裁平成17年(受)第1970号同19年7月13日第二小法廷判決・民集61巻5号1980頁(以下「平成19年判決」という。)は,貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情(以下「平成19年判決の判示する特段の事情」という。)があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定される旨判示している。

  (2)ア本件各弁済は,期限の利益喪失特約である本件特約の下でされたものであって,平成18年判決によれば,いずれも貸金業法43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできないから,同項の規定の適用要件を欠き,制限超過部分の支払は有効な利息債務の弁済とはみなされない。
  イそして,平成18年判決の言渡し前において,上告人が,本件期限の利益喪失特約があっても制限超過部分の支払につき同項の適用があるとの認識を有していたとしても,当時,そのような認識に一致する裁判例や学説が一般的であったとはいえないから,上告人において,本件各弁済に係る制限超過部分の支払につき同項の適用があるとの認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるということはできず,上告人は過払金の取得について民法704条の「悪意の受益者」であると認められる。

 4 しかしながら,原審の上記3(2)のアの判断は是認することができるが,同イの判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

  (1) 平成18年判決及び平成19年判決の内容は原審の判示するとおりであるが,平成18年判決が言い渡されるまでは,平成18年判決が示した期限の利益喪失特約の下での制限超過部分の支払(以下「期限の利益喪失特約下の支払」という。)は原則として貸金業法43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできないとの見解を採用した最高裁判所の判例はなく,下級審の裁判例や学説においては,このような見解を採用するものは少数であり,大多数が,期限の利益喪失特約下の支払というだけではその支払の任意性を否定することはできないとの見解に立って,同項の規定の適用要件の解釈を行っていたことは,公知の事実である。

  平成18年判決と同旨の判断を示した最高裁平成16年(受)第424号同18年1月24日第三小法廷判決・裁判集民事219号243頁においても,上記大多数の見解と同旨の個別意見が付されている。

  そうすると,上記事情の下では,平成18年判決が言い渡されるまでは,貸金業者において,期限の利益喪失特約下の支払であることから直ちに同項の適用が否定されるものではないとの認識を有していたとしてもやむを得ないというべきであり,貸金業者が上記認識を有していたことについては,平成19年判決の判示する特段の事情があると認めるのが相当である。したがって,平成18年判決の言渡し日以前の期限の利益喪失特約下の支払については,これを受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできない(最高裁平成20年(受)第1728号同21年7月10日第二小法廷判決・裁判所時報1487号登載予定参照)。

  (2) これを本件についてみると,平成18年判決の言渡し日以前の被上告人らの制限超過部分の支払については,期限の利益喪失特約下の支払であるため,支払の任意性の点で貸金業法43条1項の適用要件を欠き,有効な利息債務の弁済とはみなされないことになるが,上告人がこれを受領しても,期限の利益喪失特約下の支払の受領というだけでは悪意の受益者とは認められないのであるから,制限超過部分の支払について,それ以外の同項の適用要件の充足の有無,充足しない適用要件がある場合は,その適用要件との関係で上告人が悪意の受益者であると推定されるか否か等について検討しなければ,上告人が悪意の受益者であるか否かの判断ができないものというべきである。

  しかるに,原審は,上記のような検討をすることなく,期限の利益喪失特約下の支払の受領というだけで平成18年判決の言渡し日以前の被上告人らの支払について上告人を悪意の受益者と認めたものであるから,原審のこの判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 5 以上によれば,論旨は理由があり,原判決中,不当利得返還請求についての上告人の控訴を棄却した部分は破棄を免れない。そこで,前記検討を必要とする点等につき更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻すこととする。

 なお,上告人は,取引履歴の開示拒絶の不法行為に基づく損害賠償請求に関する部分についても上告受理の申立てをしたが,その理由を記載した書面を提出しないから,同部分に関する上告は却下することとする。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

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最高裁平成21年7月10日判決

この判決は「期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決以前に貸金業者が同特約の下で制限超過部分を受領したことのみを理由に,当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない」と判断した、最高裁判決です。

訴訟時に原告は、利息(5%)を求める根本として、
民法704条の「悪意の受益者」であることを主張しますが、

@期限の利益喪失特約だけでは、
A最高裁平成18年1月13日判決
(期限の利益喪失約款の下での支払いは任意性がなく、
みなし任意弁済は適用されないとした判決)以前の取引は
「悪意の受益者」としては認められない
ということになりました。

これだけをみると、「悪意の受益者」について、
原告に、厳しい判断が出たと思うかもしれませんが、
そもそも、「悪意の受益者」でないとするためには、
被告(業者)が
@17条書面
A18条書面
B「任意の支払い」であること
C「特段の事情」であること
の全てにおいて主張・立証をする必要があり、
これを全部クリアできる業者は皆無です。

ですので、現状の影響は少ないと思っていますが、
何かにつけて、
主張(反論)してくる業者も出てくると思いますので、
それに惑わされること無く、キッチリと対応してください。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主文

 1 原判決中,不当利得返還請求に関する部分のうち,上告人の敗訴部分を破棄する。

 2 前項の部分につき,本件を東京高等裁判所に差し戻す。

 3 上告人のその余の上告を棄却する。

 4 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山田有宏ほかの上告受理申立て理由第8について

 1 本件は,被上告人が,貸金業者である上告人に対し,上告人との間の金銭消費貸借契約に基づいてした弁済につき,利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当すると過払金が発生しており,かつ,上告人は過払金の取得が法律上の原因を欠くものであることを知っていたとして,不当利得返還請求権に基づき過払金及び民法704条前段所定の利息(以下「法定利息」という。)の支払等を求める事案である。

 2 原審の確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。

  (1) 上告人は,貸金業法(平成18年法律第115号による改正前の法律の題名は貸金業の規制等に関する法律。以下,同改正の前後を通じて「貸金業法」という。)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

  (2) 上告人は,被上告人に対し,原判決別紙の「年月日」欄及び「借入金額」欄記載のとおり,平成8年8月7日から平成15年9月4日までの間に12回にわたって金員を貸し付けた(以下,これらの貸付けを「本件各貸付け」と総称する。)。

  本件各貸付けにおいては,@ 元本及び利息制限法1条1項所定の制限を超える利率の利息を指定された回数に応じて毎月同額を分割して返済する方法(いわゆる元利均等分割返済方式)によって返済する,A 被上告人は,約定の分割金の支払を1回でも怠ったときには,当然に期限の利益を失い,上告人に対して直ちに債務の全額を支払う(以下「本件特約」という。)との約定が付されていた。

  (3) 被上告人は,本件各貸付けに係る債務の弁済として,原判決別紙の「年月日」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,平成8年9月2日から平成16年11月1日までの間,上告人に金員を支払った(以下,これらの各支払を「本件各弁済」と総称する。)。

 3 原審は,上記事実関係の下において,次のとおり判断した上,原判決別紙のとおり,制限超過部分が貸付金の元本に充当されることにより発生した過払金及びこれに対する法定利息がその後の貸付けに係る借入金債務に充当され,その結果,最終の弁済日である平成16年11月1日の時点で,過払金51万4749円及び法定利息1万3037円が存するとして,以上の合計52万7786円及び上記過払金51万4749円に対する同月2日から支払済みまでの法定利息の支払を求める限度で,被上告人の上告人に対する不当利得返還請求を認容した。

  (1) 最高裁平成16年(受)第1518号同18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁(以下「平成18年判決」という。)は,債務者が利息制限法1条1項所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約(以下「期限の利益喪失特約」という。)の下で制限超過部分を支払った場合,その支払は原則として貸金業法43条1項(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない旨判示している。

  また,最高裁平成17年(受)第1970号同19年7月13日第二小法廷判決・民集61巻5号1980頁(以下「平成19年判決」という。)は,貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情(以下「平成19年判決の判示する特段の事情」という。)があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定される旨判示している。

  (2)ア本件各弁済は,期限の利益喪失特約である本件特約の下でされたものであって,平成18年判決によれば,いずれも貸金業法43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできないから,同項の規定の適用要件を欠き,制限超過部分の支払は有効な利息債務の弁済とはみなされない。

  イそして,平成18年判決は,それまで下級審において判断が分かれていた期限の利益喪失特約の下での制限超過部分の支払の任意性について最高裁判所として示した初めての判断であって,その言渡し以前において,上記支払が任意性を欠くものではないとの解釈が最高裁判所の判例により裏付けられていたわけではないから,上告人が本件特約の下で本件各弁済に係る制限超過部分の支払を受領したことについて,平成19年判決の判示する特段の事情があるということはできず,上告人は過払金の取得について民法704条の「悪意の受益者」であると認められる。

 4 しかしながら,原審の上記3(2)のアの判断は是認することができるが,同イの判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

  (1) 平成18年判決及び平成19年判決の内容は原審の判示するとおりであるが,平成18年判決が言い渡されるまでは,平成18年判決が示した期限の利益喪失特約の下での制限超過部分の支払(以下「期限の利益喪失特約下の支払」という。)は原則として貸金業法43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできないとの見解を採用した最高裁判所の判例はなく,下級審の裁判例や学説においては,このような見解を採用するものは少数であり,大多数が,期限の利益喪失特約下の支払というだけではその支払の任意性を否定することはできないとの見解に立って,同項の規定の適用要件の解釈を行っていたことは,公知の事実である。平成18年判決と同旨の判断を示した最高裁平成16年(受)第424号同18年1月24日第三小法廷判決・裁判集民事219号243頁においても,上記大多数の見解と同旨の個別意見が付されている。

  そうすると,上記事情の下では,平成18年判決が言い渡されるまでは,貸金業者において,期限の利益喪失特約下の支払であることから直ちに同項の適用が否定されるものではないとの認識を有していたとしてもやむを得ないというべきであり,貸金業者が上記認識を有していたことについては,平成19年判決の判示する特段の事情があると認めるのが相当である。したがって,平成18年判決の言渡し日以前の期限の利益喪失特約下の支払については,これを受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできない。

  (2) これを本件についてみると,平成18年判決の言渡し日以前の被上告人の制限超過部分の支払については,期限の利益喪失特約下の支払であるため,支払の任意性の点で貸金業法43条1項の適用要件を欠き,有効な利息債務の弁済とはみなされないことになるが,上告人がこれを受領しても,期限の利益喪失特約下の支払の受領というだけでは悪意の受益者とは認められないのであるから,制限超過部分の支払について,それ以外の同項の適用要件の充足の有無,充足しない適用要件がある場合は,その適用要件との関係で上告人が悪意の受益者であると推定されるか否か等について検討しなければ,上告人が悪意の受益者であるか否かの判断ができないものというべきである。

  しかるに,原審は,上記のような検討をすることなく,期限の利益喪失特約下の支払の受領というだけで平成18年判決の言渡し日以前の被上告人の支払について上告人を悪意の受益者と認めたものであるから,原審のこの判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 5 以上によれば,論旨は理由があり,原判決中,不当利得返還請求に関する部分のうち,上告人の敗訴部分は破棄を免れない。そこで,前記検討を必要とする点等につき更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻すこととする。

 なお,上告人は,取引履歴の開示拒絶の不法行為に基づく損害賠償請求に関する部分についても上告受理の申立てをしたが,同部分に関する上告については,上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので,棄却することとする。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

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札幌高裁平成21年4月10日判決

この判決は、
「過払利息(5%)の発生は最終取引日以降」とした
札幌高裁平成21年4月10日判決をリライトしたものです。

今回、
けいおん さんのご好意で、判決を入手することができました。

お手数をおかけした、けいおん さんに、
改めまして、深く感謝・御礼申し上げます。m(_ _)m

現在、業者は当判決を含む、
山口地裁平成21年2月25日判決」や
大阪高裁平成20年4月18日判決」を盾に、
過払い利息の発生時期に対して、激しく抵抗しています。

しかしながら、
これらの判決は、数多の判決の中の1つに過ぎず、
ほとんどの判決は「5%利息は過払い発生日」とされています。

良くも悪くも「最高裁判決」が出てしまえば、
「それに右へならえ」で簡単なのですが、
現状は、原告・被告とも、手探り状態です。

当ブログでも、
改めて、対抗手段(準備書面)を考えていきたいと思っています。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

平成21年4月10日判決言渡

平成20年(ネ)第379号 不当利得金返還請求控訴事件
(原審・札幌地方裁判所浦河支部 平成20年(ワ)第37号)

平成21年2月27日 口頭弁論終結

判 決

控訴人        株式会社SFコーポレーション
           (旧商号 三和ファイナンス株式会社)

被控訴人       一般の方
訴訟代理人弁護士   ○○ ○○

主 文

1 原判決を次のとおり変更する。

 (1) 控訴人は被控訴人に対し,99万6995円及びこれに対する平成19年5月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 (2) 被控訴人のその余の請求を棄却する。

2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その1を被控訴人の負担とし,その余を控訴人の負担とする。

3 この判決は,第1項(1)及び第2項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由

第1 当事者の求めた裁判

 1 控訴人

 (1) 原判決を取り消す。

 (2) 被控訴人の請求を棄却する。

 (3) 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。

 2 被控訴人

 (1) 本件控訴を棄却する。

 (2) 控訴費用は控訴人の負担とする。

第2 事実の概要

   本件において,被控訴人は,控訴人との間で金銭消費貸借契約を締結して,借入れ及びその返済を繰り返し,この過程で,利息制限法所定の制限を超過する利息を支払い,超過分を元本に充当し,計算上元本が完済となっても,更に支払った過払い金があると主張して,不当利得返還請求権に基づき,その返還を求めるとともに,控訴人が悪意の受益者であるとして,過払金に対する民法704条の「利息」を請求している。

   原審は,被控訴人の請求を全部認容し,控訴人がこれを不服として,控訴人のみが控訴を提起した。当審において,被控訴人は,請求を減縮し,控訴人はこれに同意したため,被控訴人の請求は,「控訴人は被控訴人に対し,117万2855円及び113万5126円に対する平成19年5月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」となった。

 1 前提事実及び当事者の主張は,次の2のとおり補正するほか,原判決書「事実及び理由」欄の「第2 事実の概要」の「1 前提となる事実(争いがないか,容易に認められる事実)」,「2 争点(1)(法律上の原因を欠く利得)」,「3 争点(2)(消滅時効)」及び「4 争点(3)(悪意の受益者)」のとおりであるから,これを引用する。

 2 原判決の補正

 (1) 原判決書2頁4行「別紙」を,「別紙利息制限法に基づく法定金利計算書(以下「原告計算書」という。)」と改める。

 (2) 原判決書2頁5行「(甲1)」を、「(甲4)」と改める。

 (3) 原判決書2頁13〜14行「別紙残元金額欄記載の赤字」を、「原告計算書「残元金」欄記載」と改める。

 (4) 原判決書2頁15行「168万2304円」を「113万5126円」に、「5万8041円」を「3万7729円」に,それぞれ改める。

第3 当裁判所の判断

   当裁判所は,減縮後の被控訴人の請求は,主文第1項(1)の限度で理由があると判断する。その理由は,次のとおりである。

 1 取引の経過について

   乙第1号証の1及び2によれば,被控訴人は控訴人との間で,平成9年8月21日,借入限度額を50万円とする基本契約を締結したことが認められ,乙第3号証によれば,その後,別紙計算書「年月日」欄記載の日に,「借入金額」欄記載の金額を被控訴人が控訴人から借り入れ,「弁済額」欄記載の金額を被控訴人が控訴人に弁済したことが認められる。

 2 争点(2)(消滅時効)について

   乙第1号証の1及び2並びに乙第2号証の1及び2によれば,被控訴人が控訴人との間で締結した基本契約においては,返済方式として借入金額スライドリボルビング方式が採用され,被控訴人の借入れは,借入金の残元金が一定額となる限度で繰り返し行われ,また,返済は,借入金債務の残額の合計を基準として各回の最低返済額を設定して毎月行われるものであったことが認められる。

   このような基本契約においては,基本契約に基づく借入金債務につき利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には,弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下「過払金充当合意」という。)を含むものと解される。

   過払金充当合意がある場合においては,新たな借入金債務の発生が見込まれる限り,過払金を同債務に充当することとし,借主が過払金に関わる不当利得返還請求権(以下「過払金返還請求権」という。)を行使することは通常想定されていないものというべきである。

   したがって,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金への充当の用に供するという趣旨が含まれているものと解するのが相当である。

   そうすると,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,過払金返還請求権の行使を妨げるものと解するのが相当である。

   以上によれば,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,この取引が終了した日から過払金返還請求権の消滅時効が進行するものと解され,過払金が発生する都度,発生した過払金について発生の日から消滅時効が進行するものではないと解すべきである。

   乙第3号証によれば,継続的な金銭貸借取引が終了したのは,平成19年5月21日であると認められ,これが消滅時効の起算点となるから,未だ消滅時効が完成していないことは明らかである。

 3 争点(3)(悪意の受益者)について

 (1) 民法704条の「悪意」とは,「法律上の原因」がないことを知っていることをいうから,過払金という不当利得については,計算上元本が完済となったことを知っていることを意味する。控訴人は,利息制限法の制限金利に従って計算すれば,計算上元本が完済となった後にも返済を受けており,不当利得については悪意の推定を受けるものであるが,控訴人は,平成18年法律第115号による改正前の貸金業の規制等に関する法律(以下「貸金業法」という。)3条1項の定める登録を受けた貸金業者である(弁論の全趣旨)から,貸金業法43条のいわゆるみなし弁済が成立すると信じるにつき相当な理由があるのならば,悪意の推定を免れると解される。

     しかし、控訴人が日常の業務において貸金業法17条及び18条の書面を交付するなどみなし弁済が成立すると信じるにつき相当な理由があるといえるほどの業務処理を行っていたと認めるに足りる証拠はない。したがって,控訴人は,不当利得について悪意の推定を免れない。

 (2) 民法704条の「利息」は,悪意の受益者が受けた利益に付して返還すべきものであるから,利息の起算点となるのは,不当利得返還債務の弁済期からであると解される。前記2に判示したとおり,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引において,その取引の終了前は,悪意の受益者が受けた利益,すなわち過払金が発生しても,その行使に法律上の障害があるから,過払金の弁済期は取引終了の日の翌日であると解される。したがって,上記取引の継続中は,たとえ過払金が発生しても,これに利息を付した上で,その後の借入金の元本に充当することはできない。

     被控訴人の作成した計算書(甲第4号証)においては,過払金発生の都度,民法704条の「利息」(同号証の「過払利息」欄の金額)が発生したとして,これを後に借りた借入金の元本に充当しているから,未発生の利息をも元本に充当したことになる。

     以上によれば,控訴人が悪意の受益者であるとしても,返還すべき過払金は,別紙計算書のとおり,取引終了までは民法704条の「利息」を付さずに計算すべきであり,控訴人は被控訴人に対し,99万6995円及びこれに対する取引終了の日の翌日である平成19年5月22日から年5分の割合による金員を返還すべきものである。

 4 結論

   以上によれば,被控訴人の請求は,主文掲記の限度で理由があり,その余の請求は理由がないから,これと異なる原判決を変更することとし,主文のとおり判決する。

   札幌高等裁判所第2民事部

         裁判長裁判官     ○○  ○

            裁判官     ○○ ○○

            裁判官     ○○ ○○

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑

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posted by 過払い太郎 at 2009年07月09日 | Comment(3) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年3月6日判決

この判決は「消滅時効の起算点」を判断した
最高裁判決3部作の最後の判決です。
今さらという感じもしますが、まとめとして。
(「消滅時効の起算点」の説明はコチラをご覧下さい。)

この判決によって、3つの最高裁小法廷全てが、
「消滅時効の起算点」について同一の判決(見解)となりました。

これにより、最終取引終了時から10年以内の請求であれば、
10年以上も前の過払い金についても、支払われるようになりました。
(分断がある場合には、それをクリアする必要がありますが。)

しかし、
これらの判例により、別の争点も出てきました。
↓↓↓ 2009/07/10 ここから修正 ↓↓↓
(札幌高裁平成21年4月10日判決については、調査中。)
(札幌高裁平成21年4月10日判決については、こちら。)
↑↑↑ 2009/07/10 ここまで修正 ↑↑↑

日々情勢が変わる世界ですので、
日頃の情報収集はとても大切だと思います。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

1 原判決中,上告人敗訴部分を破棄する。

2 前項の部分につき,被上告人の控訴を棄却する。

3 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大田原俊輔の上告受理申立て理由について

 1 本件は,上告人が,被上告人に対し,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引に係る弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると,過払金が発生していると主張して,不当利得返還請求権に基づき,その支払を求める事案である。被上告人は,上記不当利得返還請求権の一部については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成したと主張してこれを争っている。

 2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

  (1) 被上告人は,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号により法律の題名が貸金業法と改められた。)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

  (2) 上告人は,昭和59年12月12日,被上告人との間で,継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される金銭消費貸借に係る基本契約(以下「本件基本契約」という。)を締結した。

   上告人と被上告人は,同日から平成18年6月8日までの間,本件基本契約に基づき,第1審判決別紙計算書の「借入金額」欄及び「弁済額」欄記載のとおり,継続的な金銭消費貸借取引を行った(以下「本件取引」という。)。

  (3) 本件取引における弁済は,各貸付けごとに個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,本件基本契約に基づく借入金の全体に対して行われるものであり,本件基本契約は,利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には,これをその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下「過払金充当合意」という。)を含むものであった。

  (4) 上告人は,平成19年2月2日に本件訴えを提起した。過払金充当合意に基づき,本件取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当した結果は,第1審判決別紙計算書記載のとおりであり,同日における過払金は404万9856円,同日までに発生した民法704条所定の利息は130万1687円である。

  (5) 被上告人は,平成9年2月2日以前の弁済によって発生した過払金に係る不当利得返還請求権については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成していると主張して,これを援用した。

 3 原審は,前記事実関係の下において,要旨次のとおり判断して,上告人の請求を320万5334円及びうち245万4000円に対する平成19年2月3日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で認容すべきものとした。

  消滅時効は,権利を行使することができる時から進行するものであり,過払金に係る不当利得返還請求権(以下「過払金返還請求権」という。)は,発生時点において行使することができる権利である。上告人は,本件取引の継続中であっても,自ら弁済を停止し,取引履歴の開示を請求するなどして,本件取引により発生した過払金返還請求権を行使することが可能であったから,権利の行使につき法律上の障害は存在しない。

  したがって,平成9年2月2日以前の弁済により発生した過払金に係る過払金返還請求権については,発生から10年間の経過により,消滅時効が完成した。平成9年2月3日以降の弁済により発生した過払金は,原判決別紙計算書記載のとおり245万4000円であり,これに対する平成19年2月2日までに発生した民法704条所定の利息は75万1334円である。

 4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

 前記のような過払金充当合意においては,新たな借入金債務の発生が見込まれる限り,過払金を同債務に充当することとし,借主が過払金返還請求権を行使することは通常想定されていないものというべきである。

 したがって,一般に,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金債務への充当の用に供するという趣旨が含まれているものと解するのが相当である。

 そうすると,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,これにより過払金返還請求権の行使が妨げられていると解するのが相当である。

 借主は,基本契約に基づく借入れを継続する義務を負うものではないので,一方的に基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引を終了させ,その時点において存在する過払金を請求することができるが,それをもって過払金発生時からその返還請求権の消滅時効が進行すると解することは,借主に対し,過払金が発生すればその返還請求権の消滅時効期間経過前に貸主との間の継続的な金銭消費貸借取引を終了させることを求めるに等しく,過払金充当合意を含む基本契約の趣旨に反することとなるから,そのように解することはできない(最高裁平成17年(受)第844号同19年4月24日第三小法廷判決・民集61巻3号1073頁,最高裁平成17年(受)第1519号同19年6月7日第一小法廷判決・裁判集民事224号479頁参照)。

 したがって,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である(最高裁平成20年(受)第468号同21年1月22日第一小法廷判決・裁判所時報1476号2頁参照)。

 5 これを本件についてみるに,前記事実関係によれば,本件基本契約は過払金充当合意を含むものであり,本件において前記特段の事情があったことはうかがわれないから,本件取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は本件取引が終了した時点から進行するというべきである。

 そして,前記事実関係によれば,本件取引がされていたのは昭和59年12月12日から平成18年6月8日までであったというのであるから,上記消滅時効期間が経過する前に本件訴えが提起されたことは明らかであり,上記消滅時効は完成していない。これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れない。

 以上説示したところによれば,上記消滅時効の成立を否定し上告人の請求を認容した第1審判決の結論は正当であるから,同部分につき被上告人の控訴を棄却すべきである。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑

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posted by 過払い太郎 at 2009年06月01日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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