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「司法書士に代理権はない」というCFJの主張を認めなかった判決

「お気に入りブログ更新情報」より。
司法書士の代理権?判決をアップ(CFJ)!

「司法書士に代理権はない」という、
CFJの無茶な主張を見事に叩き切った判例をアップされています。

まぁ、至極、当たり前な話だとは思いますが...。

毎回毎回、
司法書士による過払い請求、債務整理 in 大阪」さんは、
貴重な判決のPDFファイルをアップしてくださいます。
(詳しくは、カテゴリ「判例集」をご覧ください。)

ホント、ありがたいです。感謝。感謝。m(_ _)m

で、
その判決をリライトしてみました。

久しぶりの作業だったので、多分、ミスっていると思いますので、
詳しくは、「判決のPDFファイル」でご確認ください。

↓↓↓ 判決 ここから ↓↓↓

主文

1 被告は,原告に対し,金47万1387円及び内金41万8767円に対する平成20年1月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

3 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由

第1 請求

 主文第1項と同旨

第2 事案の概要

 1 本件は,消費者金融業者であるタイヘイ株式会社(以下「タイヘイ」という)から金員を借り入れては返済し,タイヘイが債権譲渡した後は,債権譲渡先に返済していた原告が,利息制限法の制限利率を適用して引き直し計算を行うと,過払金が発生しており,同額を法律上の原因なく利得しているとして,被告に対し,不当利得返還請求権に基づき,債権譲渡後の返済金(過払金)及び悪意の受益者である被告が利得した過払金に対する最終取引日の平成20年1月16日までに発生した未充当利息金並びに最終取引日の翌日である同月17日から支払済みまで年5分の割合による利息金の支払いを求めた事案である。

 2 前提事実(争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

  (1)タイヘイ及びアイク,被告は,登録を請けた貸金を業とする会社である。

  (2)本件貸金債権を平成14年2月28日にタイヘイから債権譲渡を受けたアイク株式会社(以下「アイク」という)は,平成15年1月6日,被告に吸収合併された。

  (3)原告とタイヘイとの間の取引経過(借入年月日・借入額・弁済年月日・ 弁済額)は,甲1のとおりである。

  (4)原告とアイク,被告との間の取引経過(借入年月日・借入額・弁済年月日・弁済額)は,甲2のとおりである。

  (5)原告とタイヘイ,アイク,被告との間の前記消費貸借取引が利息制限法の制限利率を超える約定利率で行われた。

  3 争点

  (1)原告代理人の代理権の有無

  (2)取引経過(借入年月日・借入額・弁済年月日・弁済額)

  (3)悪意の受益者

  (4)過払額

第3 当裁判所の判断

 1 争点(1)[原告代理人の代理権の有無]

  被告は,司法書士が相談に応じることのできる民事に関する紛争は,紛争の目的の価額が140万円を超えないものに限られるところ,原告より受任した過払金返還訴訟の総額は140万円を超えているから,司法書士が本件訴訟を代理するこはできない旨主張する。

  しかしながら,代理権の存否に関する争いを防止し,訴訟手続の安定と迅速,円滑な進行を図るうえにおいて,司法書士の代理権の有無は当該訴訟事件における訴訟の目的の価額によるぺきと解するのが相当であるから,この点に関する被告の主張は採用できない。

 2 争点(2)[取引経過]

  甲1によれば,原告とタイヘイ間の本件取引経過(借入年月日・借入額・弁済年月日・弁済額)は,別紙計算書1のとおりと認める。

  甲2によれば,原告とアイク及びアイクを吸収合併した被告との本件取引経過(借入年月日・借入額・弁済年月日・弁済額)は,別紙計算書2のとおりと認められる。

 3 争点(3)[悪意の受益者]

   登録を受けた貸金業者であるタイヘイ,アイク,被告は,過払金発生時から悪意の受益者であると推定(平成19年7月13日最高裁判決・平成17年(受)第1970号・平成18年(受)第276号)されるところ,被告は,平成18年法律第115号による改正前の貸金業法(以下「旧貸金業法」という)43条1項所定のみなし弁済適用要件を充足していたと認められる具体的事実を立証せず,悪意の受益者であることの推定を覆す具体的事実も主張立証しないのであるから,悪意の受益者として過払金発生時から民法所定の年5分の割合による利息を付加して支払うべきである。

 4 争点(4)[過払額]

  原告とアイク及びアイクを吸収合併した被告との取引経過を利息制限法所定の利率にて計算すると,平成20年1月16日時点での過払元金は41万8767円,未充当利息金5万2620円となる。

 5 結論

  以上によれば,原告の請求は理由がある。よって,主文のとおり判決する。

↑↑↑ 判決 ここまで ↑↑↑

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posted by 過払い太郎 at 2012年07月11日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成23年11月18日判決

この判決は、
クオークローン(クラヴィス)→プロミスの切り替え案件で、
クオークローンで発生した過払い金債務が、
プロミスに承継されると判断した、最高裁判決です。

原審である東京高裁平成22年10月20日判決では、
一連計算を認めない(プロミス勝訴)とのことでしたが、
最高裁では、一転、一連計算を認める結果となりました。
(プロミス逆転敗訴。)

判決原文については、名古屋消費者信用問題研究会
クオークローン・プロミス 会員等の判決」をご覧ください。

プロミスの切り替え案件では、
クオークローン・クラヴィス・タンポート・サンライフ等
複雑怪奇な合併・吸収のため、ややこしくなっていますが、
基本的には、一連計算でOKかと思います。

以下は、当該判決をリライトしたものです。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主文

原判決を破棄する。

本件を東京高等裁判所に差し戻す。

理由

上告代理人Aほかの上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について

1 本件は,上告人が,いずれも貸金業者である株式会社クオークローン(同社が合併により権利義務を承継した会社を含む。以下同じ。現商号株式会社クラヴィス)及びその完全親会社である被上告人との間の継続的な金銭消費貸借取引に係る各弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項所定の制限を超えて利息として支払った部分(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当すると過払金が発生していると主張して,被上告人に対し,不当利得返還請求権に基づき,その返還等を求める事案である。上告人は,被上告人が,消費者金融事業を廃止するクオークローンの顧客の承継を企図し,クオークロ―ンが負担する過払金返還に係る債務を被上告人が併存的に引き受ける旨の条項を含む業務提携契約をクオークローンとの間で締結した上,クオークローンの顧客であった上告人に対し,クオークローンに代わって被上告人と取引することを勧誘し,これに応じた上告人に,取引先を被上告人に切り替える旨の契約を締結させるとともに,クオークローンとの取引に係る約定残債務相当額を貸し付け,この貸金により同債務を完済させて,以後,被上告人との間で取引を継続させたという一連の切替手続により,クオークローンとの取引における貸主としての地位を被上告人が承継し,もつて,クオークローンが負担する過払金返還に係る債務を被上告人が承継したなどと主張するのに対し,被上告人は,これを争っている。

2 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

(1)被上告人は,グループ会社のうち国内の消費者金融子会社の再編に伴う債権移行の一環として,平成19年6月18日,被上告人の完全子会社であったクオークローンとの間で,業務提携契約(以下「本件業務提携契約」という。)を締結した。本件業務提携契約には,クオークローンの顧客のうち被上告人と金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結した顧客に対してクオークローンが負担する利息返還債務その他一切の債務(以下「過払金等返還債務」という。)について,被上告人がクオークローンと連帯して責任を負う旨の定め(以下「本件債務引受条項」という。)などがあった。

(2)上告人は,クオークローンとの間で,継続的な金銭消費貸借取引をしていたところ(以下,この取引を「本件取引1」という。),平成19年9月11日,被上告人の働誘により,被上告人との間で金銭消費貸借取引に係る基本契約(以下「本件切替契約」という。)を締結した。この際,上告人は,被上告人から,本件取引1に係る約定利息を前提とする残債務(以下「約定残債務」という。)が49万8519円であることを確認し,これを完済するため,同額をクオークローン名義の口座に振り込むことを被上告人に依頼することなどが記載された「残高確認書兼振込代行申込書」(以下「本件申込書」という。)を示され,これに署名して被上告人に差し入れた。

(3)本件申込書の差入れを受け,被上告人は,平成19年9月11日,上告人に姑し,本件切替契約に基づき,本件取引1に係る約定残債務金額に相当する49万8519円を貸し付けた上,同額をクオークローン名義の口座に振込送金した。その後,上告人と被上告人とは,同年9月22日から平成21年12月10日までの間,継続的に金銭の貸付けと弁済が繰り返される金銭消費貸借取引を行った(以下,この取引を「本件取引2」という。)。

(4)被上告人とクオークローンは,平成20年12月15日,本件業務提携契約のうち本件債務引受条項を変更し,過払金等返還債務につき,クォークローンのみが負担し,被上告人は何らの債務及び責任を負わないことを内容とする契約を締結した。

3 原審は,上記事実関係の下において,本件申込書の記載文言や本件切替契約の内容によれば,上告人とクオークローンとの取引における貸主としての地位を被上告人が承継したとはいえないなどとして,上告人の請求を棄却すべきものと判断した。

4 しかし,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

 前記事実関係によれば,被上告人の完全子会社であるクオークローンが顧客に対して有する貸金債権を被上告人に移行するために,クオークローンと被上告人との間で本件債務引受条項を含む本件業務提携契約が締結され,これを前提として,上告人と被上告人との間で本件切替契約が締結されるとともに,その際,上告人は,被上告人の示した本件申込書に署名押印をして被上告人に差し入れたというのである。加えて,本件業務提携契約には,被上告人及びクオークローンは,金銭消費貸借取引に係る基本契約の相手方をクオークローンから被上告人に切り替えた顧客に封し,今後の全ての紛争に関する申出窓口を被上告人とする旨を告知する旨の定め(以下「本件周知条項」という。)も置かれていたことがうかがわれる。これらの約定,本件切替契約の締結に至る経緯等に照らし,本件切替契約の当事者である上告人と被上告人の意思を合理的に解釈すれば,上告人と被上告人とは,被上告人が,上告人との関係において,本件取引1に係る債権を承継するにとどまらず,過払金等返還債務を含む債務についても全て引き受ける旨を合意したものとみる余地が十分にあり,また,そのように合意したのであれば,上告人が,本件取引1に基づく約定残債務相当額を被上告人から借り入れ,その借入金をもつて本件取引1に基づく約定残債務を完済するという会計処理は,クオークローンから被上告人に対する貸金債権の承継を行うための形式的な会計処理にとどまるもので,本件取引1と本件取引2とを一連のものとして過払金の額を計算すべきであると解する余地が十分にあるというべきである(以上につき,最高裁平成23年(受)第516号同年9月30日第二小法廷判決。裁判所時報1540号10頁参照。)。

 しかるに,原審は,本件切替契約における当事者の意思を合理的に解釈するのに必要な,本件周知条項の趣旨や,これを前提として上告人に示された本件申込書の記載内容について十分な審理判断をすることなく,被上告人が過払金等返還債務を引き受けたことを否定する判断をしたものであり,この原審の判断には,審理不尽の結果,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 論旨は,この趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上記の点等につき更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑

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posted by 過払い太郎 at 2011年11月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年9月11日判決(期限の利益喪失を認める)

これは、
「貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例」に関する最高裁平成21年9月11日判決です。

「期限の利益の喪失」とは、ざっくばらんに言うと、
「万が一、支払が遅れ時には、すぐに一括で返してね」
という約束(契約)です。

多分、大概の契約書には、記載されているものだと思います。

これがあるために、「みなし弁済」の適用条件である
「利息を任意で支払ったこと」とはされず、
消費者にとっては、いい意味で「ありがたい」条項です。

本件では、
期日までに支払が無かったため、それ以降の取引については、
領収書兼利用明細書に「遅延損害金」と明記し、取引を続行。

利用者は「期限の利益が喪失したという認識」の無いまま、
過払金を請求するも、業者としては反発。

結局「利息」ではなく「遅延損害金」と判断され、業者の勝利。

え〜と、
これに関しては「紛らわしい表現」もありますが、
領収書には「遅延損害金」とキチンと書いてあるワケですし、
「業者の言い分」の方が正しいかなぁ〜と。

ただ、今後、この判例を盾にして、
主張してくる業者も出てくるかもしれませんが、
本件は「レアケース」だと思います。

一般的な取引では、同日に出された
最高裁平成21年9月11日判決(期限の利益喪失を認めない)」のように、
こちらに有利な判断になると思います。

2つの判例の違いについては、
感覚的には理解しているつもりですが、
上手く説明できません...。
(ヘタレでスミマセン。後日、まとめる予定です。)

判決原文については、「最高裁判例」の「全文」をご覧下さい。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

原判決中,上告人敗訴部分を破棄する。
前項の部分につき,本件を高松高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人大平昇の上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について

1 本件本訴は,貸金業者である上告人が,借主である被上告人Y1及び連帯保証人であるその余の被上告人らに対して貸金の返済等を求めるものであり,本件反訴は,被上告人Y1が,上告人に対し,上告人との間の金銭消費貸借契約に基づいてした弁済につき,利息制限法所定の制限利率を超えて支払った利息(以下「制限超過利息」という。)を元本に充当すると過払金が発生しているとして,不当利得返還請求権に基づき過払金の返還等を求める事案である。

上告人において,期限の利益喪失特約に基づき被上告人Y1が期限の利益を喪失したと主張することが,信義則に反するか等が争われている。

2 原審の確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。

(1) 上告人は,貸金業法(平成18年法律第115号による改正前の法律の題名は貸金業の規制等に関する法律)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

(2) 上告人は,平成15年3月6日,被上告人Y1に対し,400万円を次の約定で貸し付けた(以下「本件貸付け@」という。)。

 ア 利息年29.0%(年365日の日割計算)
 イ 遅延損害金年29.2%(年365日の日割計算)
 ウ 弁済方法平成15年4月から平成20年3月まで毎月1日限り,元金6万6000円ずつ(ただし,平成20年3月のみ10万6000円)を経過利息と共に支払う。
被上告人Y は,平成15年3月62 日,上告人に対し,本件貸付け@に係る被上告人Y1の債務について連帯保証した。

(3) 上告人は,平成16年4月5日,被上告人Y1に対し,350万円を次の約定で貸し付けた(以下「本件貸付けA」という。)。

 ア 利息年29.0%(年365日の日割計算)
 イ 遅延損害金年29.2%(年365日の日割計算)
 ウ 弁済方法平成16年5月から平成21年4月まで毎月1日限り,元金5万8000円ずつ(ただし,平成21年4月のみ7万8000円)を経過利息と共に支払う。
被上告人Y3は,平成16年4月5日,上告人に対し,本件貸付けAに係る被上告人Y1の債務について連帯保証した。

(4) 上告人は,平成17年6月27日,被上告人Y1に対し,300万円を次の約定で貸し付けた(以下「本件貸付けB」といい,本件貸付け@,Aと併せて「本件各貸付け」という。)。

 ア 利息年29.2%(年365日の日割計算)
 イ 遅延損害金年29.2%(年365日の日割計算)
 ウ 弁済方法平成17年8月から平成22年7月まで毎月1日限り,元金5万円ずつを経過利息と共に支払う。
被上告人Y4は,平成17年6月27日,上告人に対し,本件貸付けBに係る被上告人Y1の債務について連帯保証した。

(5) 本件各貸付けにおいては,元利金の支払を怠ったときは通知催告なくして当然に期限の利益を失い,残債務及び残元本に対する遅延損害金を即時に支払う旨の約定(以下「本件特約」という。)が付されていた。

(6) 本件各貸付けに対する被上告人Y1の弁済内容は,本件貸付け@に係る債務については原判決別表1に,本件貸付けAに係る債務については原判決別表2に,本件貸付けBに係る債務については原判決別表3にそれぞれ記載されているとおりであり,同被上告人は,本件貸付け@,Aについては平成16年9月1日の支払期日に,本件貸付けBについては平成17年8月1日の支払期日に,全く支払をしておらず,いずれの貸付けについても,上記各支払期日の後,当初の約定で定められた支払期日までに弁済したことはほとんどなく,支払期日よりも1か月以上遅滞したこともあった。

(7) 上告人は,被上告人Y1から本件各貸付けに係る弁済金を受領する都度,領収書兼利用明細書を作成して同被上告人に交付していたところ,いずれの貸付けについても,上記(6)記載の各支払期日より後にした各弁済(以下「本件各弁済」と総称する。)に係る領収書兼利用明細書には,弁済金を遅延損害金のみ又は遅延損害金と元金に充当した旨記載されており,利息に充当した旨の記載はない。

3 原審は,上記事実関係の下において,次のとおり,上告人が本件各貸付けについて本件特約による期限の利益の喪失を主張することは信義則に反し許されないと判断した。

そして,本件各貸付けのいずれについても被上告人Y1に期限の利益の喪失はないものとして本件各弁済につき制限超過利息を元本に充当した結果,本件各貸付けについては,原判決別表1〜3のとおり,いずれも元本が完済され,過払金が発生しているとして,上告人の本訴請求をいずれも棄却し,同被上告人の反訴請求を一部認容した。

(1) 被上告人Y1は,本件貸付け@,Aについては,平成16年9月1日の支払期日に支払うべき元利金の支払をしなかったことにより,本件貸付けBについては,平成17年8月1日の支払期日に支払うべき元利金の支払をしなかったことにより,本件特約に基づき期限の利益を喪失した。

(2) しかしながら,被上告人Y1は,本件貸付け@,Aについては,その期限の利益喪失後も,基本的には毎月規則的に弁済を続け,上告人もこれを受領している上,平成17年6月には新たに本件貸付けBを行い,本件貸付けBについても同被上告人はその期限の利益喪失後も弁済を継続しており,上告人が期限の利益喪失後直ちに同被上告人に対して元利金の一括弁済を求めたこともうかがわれないから,上告人は,同被上告人が弁済を遅滞しても分割弁済の継続を容認していたものというべきである。

そして,本件各貸付けにおいては約定の利息の利率と遅延損害金の利率とが同率ないしこれに近似する利率と定められていることを併せ考慮すると,領収書兼利用明細書上の遅延損害金に充当する旨の表示は,利息制限法による利息の利率の制限を潜脱し,遅延損害金として高利を獲得することを目的として行われたものであるということができる。

そうすると,被上告人Y1に生じた弁済の遅滞を問題とすることなく,その後も弁済の受領を反復し,新規の貸付けまでした上告人において,さかのぼって期限の利益が喪失したと主張することは,従前の態度に相反する行動であり,利息制限法を潜脱する意図のものであって,信義則に反し許されない。

4 原審の上記3(1)の判断は是認することができるが,同(2)の判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

原審は,上告人において,被上告人Y1が本件特約により本件各貸付けについて期限の利益を喪失した後も元利金の一括弁済を求めず,同被上告人からの一部弁済を受領し続けたこと(以下「本件事情@」という。),及び本件各貸付けにおいては,約定の利息の利率と約定の遅延損害金の利率とが同一ないし近似していること(以下「本件事情A」という。)から,上告人が領収書兼利用明細書に弁済金を遅延損害金のみ又は遅延損害金と元金に充当する旨記載したのは,利息制限法による利息の利率の制限を潜脱し,遅延損害金として高利を獲得することを目的としたものであると判断している。

しかし,金銭の借主が期限の利益を喪失した場合,貸主において,借主に対して元利金の一括弁済を求めるか,それとも元利金及び遅延損害金の一部弁済を受領し続けるかは,基本的に貸主が自由に決められることであるから,本件事情@が存在するからといって,それだけで上告人が被上告人Y1に対して期限の利益喪失の効果を主張しないものと思わせるような行為をしたということはできない。

また,本件事情Aは,上告人の対応次第では,被上告人Y1に対し,期限の利益喪失後の弁済金が,遅延損害金ではなく利息に充当されたのではないかとの誤解を生じさせる可能性があるものであることは否定できないが,上告人において,同被上告人が本件各貸付けについて期限の利益を喪失した後は,領収書兼利用明細書に弁済金を遅延損害金のみ又は遅延損害金と元金に充当する旨記載して同被上告人に交付するのは当然のことであるから,上記記載をしたこと自体については,上告人に責められる理由はない。

むしろ,これによって上告人は,被上告人Y1に対して期限の利益喪失の効果を主張するものであることを明らかにしてきたというべきである。したがって,本件事情@,Aだけから上告人が領収書兼利用明細書に上記記載をしたことに利息制限法を潜脱する目的があると即断することはできないものというべきである。

原審は,上告人において,被上告人Y1が本件貸付け@,Aについて期限の利益を喪失した後に本件貸付けBを行ったこと(以下「本件事情B」という。)も考慮し,上告人の期限の利益喪失の主張は従前の態度に相反する行動であり,利息制限法を潜脱する意図のものであって,信義則に反するとの判断をしているが,本件事情Bも,上告人が自由に決められることである点では本件事情@と似た事情であり,それだけで上告人が本件貸付け@,Aについて期限の利益喪失の効果を主張しないものと思わせるような行為をしたということはできないから,本件事情Bを考慮しても,上告人の期限の利益喪失の主張が利息制限法を潜脱する意図のものであるということはできないし,従前の態度に相反する行動となるということもできない。

他方,前記事実関係によれば,被上告人Y1は,本件各貸付けについて期限の利益を喪失した後,当初の約定で定められた支払期日までに弁済したことはほとんどなく,1か月以上遅滞したこともあったというのであるから,客観的な本件各弁済の態様は,同被上告人が期限の利益を喪失していないものと誤信して本件各弁済をしたことをうかがわせるものとはいえない。

そうすると,原審の掲げる本件事情@ないしBのみによっては,上告人において,被上告人Y1が本件特約により期限の利益を喪失したと主張することが,信義則に反し許されないということはできないというべきである。

5 以上によれば,原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決中,上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして,更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻すこととする。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

↑↑↑↑↑↑ ここまで 判決 ↑↑↑↑↑↑

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posted by 過払い太郎 at 2009年09月17日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年9月11日判決(期限の利益喪失を認めない)

これは、
「貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとされた事例」に関する最高裁平成21年9月11日判決です。

「期限の利益の喪失」とは、ざっくばらんに言うと、
「万が一、支払が遅れ時には、すぐに一括で返してね」
という約束(契約)です。

多分、大概の契約書には、記載されているものだと思います。

これがあるために、「みなし弁済」の適用条件である
「利息を任意で支払ったこと」とはされず、
消費者にとっては、いい意味で「ありがたい」条項です。

本件では、
約6年の取引の間で、何回か支払が遅れることがあったが、
支払が遅れた時には、その分の利息(遅延損害金)も含めて
支払を行い、取引を継続していたが、業者は、
「第5回目の支払期日における支払が遅れたことにより既に期限の利益を喪失しており,その後に発生したのはすべて利息ではなく遅延損害金であったから,利息の制限利率ではなく遅延損害金の制限利率によって過払金の元本への充当計算をすべきである」と主張。

しかし、棄却されました。

支払が遅れる方も悪いとは思いますが、
長い間、普通に取引しておいて、いきなり
「それは利息ではなく、遅延損害金です」と言われても...。

例えば、支払が遅れた時に
「期限の利益を喪失しましたので、一括で返済してください。
返済しない時には、遅延損害金がかかりますよ。」
「これは、利息ではなく、遅延損害金ですよ。」
という感じでアナウンスしていれば、違う結論だったかも?

「期限の利益の喪失」と、言うのは(書くのは)簡単ですが、
実は、とても大きな意味を持っていると、
今さらながら、認識しました...(遅!)。

実は、私の取引履歴を確認してみると、
何日か遅れて入金している時がありましたが、
そのまま過払金請求をして、問題なく終了しました。

判決原文については、「最高裁判例」の「全文」をご覧下さい。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人矢野仁士の上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について

1 本件は,被上告人が,上告人に対し,上告人との間の金銭消費貸借契約に基づいてした弁済につき,利息制限法所定の制限利率を超えて支払った利息を元本に充当すると過払金が発生しているとして,不当利得返還請求権に基づき過払金の返還等を求める事案である。上告人において,期限の利益喪失特約に基づき被上告人が期限の利益を喪失したと主張することが,信義則に反するか等が争われている。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

(1) 上告人は,貸金業法(平成18年法律第115号による改正前の法律の題名は貸金業の規制等に関する法律)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

(2) 上告人は,平成11年9月28日,被上告人に対し,400万円を次の約定で貸し付けた(以下,この貸付けに係る契約を「本件契約」という。)。

 ア 弁済方法平成11年10月から平成16年9月まで毎月15日限り,元本6万6000円ずつ(ただし,平成16年9月のみ10万6000円)を支払日の前日までの利息と共に支払う(以下,この毎月返済することが予定された元本を「賦払金」といい,残元本に対する支払日の前日までの利息を「経過利息」という。)。

 イ 利息年29.8%(年365日の日割計算)

 ウ 遅延損害金年36.5%(年365日の日割計算)。ただし,期限の利益喪失後,上告人は毎月15日までに支払われた遅延損害金については一部を免除し,その利率を年29.8%とするが,この取扱いは,期限を猶予するものではない。

 エ 特約元利金の支払を怠ったときは,通知催告なくして期限の利益を失い,債務全額及び残元本に対する遅延損害金を即時に支払う。

(3)
 ア 被上告人は,上告人に対し,原判決別紙1「元利金計算書」の「年月日」欄記載の各年月日に,「支払金額」欄記載の各金額の支払をした。

 イ 被上告人は,第1回目から第4回目までの各支払期日(上記(2)アで定められた支払期日をいう。以下同じ。)に,賦払金及び経過利息の合計額(上記(2)ア及びイの約定により各支払期日に支払うべきものとされていた金額。以下同じ。)又はこれを超える額を支払った。

被上告人は,第5回目の支払期日である平成12年2月15日には支払をしなかったが,その前に,上告人の担当者から15万円くらい支払っておけばよいと言われていたため,同月16日に15万円を支払った。

上告人は,被上告人から受領した15万円のうち9万1450円を利息に充当し,5万8550円を元本に充当した旨記載された領収書兼利用明細書を被上告人に送付した。

 ウ 被上告人は,第6回目から第8回目までの各支払期日に賦払金及び経過利息の合計額又はこれを超える額の金員を支払ったが,第9回目の支払期日である平成12年6月15日の支払が困難なので,上告人の担当者に電話をかけ,支払が翌日になる旨告げたところ,同担当者からは,1日分の金利を余計に支払うことを求められ,翌日支払う場合の支払金額として賦払金と年29.8%の割合で計算した金利との合計額を告げられた。そこで,被上告人は,同担当者が告げた金額よりも多めに支払っておけば問題はないと考え,同月16日,上告人に対し15万8000円を支払った。

 エ 上告人は,第6回目の支払期日以降,被上告人の支払が支払期日より遅れた場合,支払われた金員を,残元本全額に対する前回の支払日から支払期日までの年29.8%の割合で計算した遅延損害金及び残元本全額に対する支払期日の翌日から支払日の前日までの年36.5%の割合で計算した遅延損害金に充当し,残余があるときは,残元本の一部に充当した。

被上告人は,その後,支払期日に遅れて支払うことがしばしばあったが,上告人は,被上告人に対して残元本全額及びこれに対する遅延損害金の一括弁済を求めることはなかった。

 オ 被上告人は,上告人の上記のような対応から,当初の約定の支払期日より支払が多少遅れることがあっても,遅れた分の遅延損害金を支払えば期限の利益を失うことはないと信じ,期限の利益を喪失したために残元本全額を一括弁済すべき義務が発生しているとは思わなかった。

上告人は,第6回目の支払期日以降,弁済を受けるたびに,その弁済金を残元本全額に対する遅延損害金と残元本の一部に充当したように記載した領収書兼利用明細書(以下「本件領収書兼利用明細書」という。)を被上告人に送付していた。

しかし,被上告人は,上告人が上記のような対応をしたために,期限の利益を喪失していないものと誤信して支払を続け,上告人は,被上告人が上記のように誤信していることを知りながら,被上告人に対し,残元本全額について弁済期が到来していることについて注意を喚起することはなく,被上告人の上記誤信をそのまま放置した。

そして,被上告人は,平成18年2月17日まで,賦払金と年29.8%の割合による金員との合計額につき,賦払金と経過利息の支払と誤信して,その支払を続け,途中で,当初の約定の支払期日より支払を遅れた場合には,これに付加して,遅れた日数分のみ年36.5%の割合で計算した遅延損害金を支払った。


(1) 前記事実関係によれば,本件契約には,遅延損害金の利率を年36.5%とした上で,期限の利益喪失後,毎月15日までに支払われた遅延損害金については,その利率を利息の利率と同じ年29.8%とするという約定があるというのであり,このような約定の下では,借主が期限の利益を喪失しても,支払期日までに支払をする限りにおいては期限の利益喪失前と支払金額に差異がなく,支払期日を経過して年36.5%の割合による遅延損害金を付加して支払うことがあっても,その後の支払において支払期日までに支払えば期限の利益喪失前と同じ支払金額に戻るのであるから,借主としては,上告人の対応によっては,期限の利益を喪失したことを認識しないまま支払を継続する可能性が多分にあるというべきである。

(2) そして,前記事実関係によれば,上告人は,被上告人が第5回目の支払期日における支払を遅滞したことによって期限の利益を喪失した後も,約6年間にわたり,残元本全額及びこれに対する遅延損害金の一括弁済を求めることなく,被上告人から弁済金を受領し続けてきたというだけでなく,@ 被上告人は,第5回目の支払期日の前に上告人の担当者から15万円くらい支払っておけばよいと言われていたため,上記支払期日の翌日に15万円を支払ったものであり,しかも,A被上告人が上記のとおり15万円を支払ったのに対し,上告人から送付された領収書兼利用明細書には,この15万円を利息及び元本の一部に充当したことのみが記載されていて,被上告人が上記支払期日における支払を遅滞したことによって発生したはずの1日分の遅延損害金に充当した旨の記載はなく,B 被上告人が,第9回目の支払期日に,上告人の担当者に対して支払が翌日になる旨告げた際,同担当者からは,1日分の金利を余計に支払うことを求められ,翌日支払う場合の支払金額として賦払金と年29.8%の割合で計算した金利との合計額を告げられたというのである。

(3) 上記(2)のような上告人の対応は,第5回目の支払期日の前の上告人の担当者の言動,同支払期日の翌日の支払に係る領収書兼利用明細書の記載,第9回目の支払期日における上告人の担当者の対応をも考慮すれば,たとえ第6回目の支払期日以降の弁済について被上告人が上告人から本件領収書兼利用明細書の送付を受けていたとしても,被上告人に期限の利益を喪失していないとの誤信を生じさせかねないものであって,被上告人において,約定の支払期日より支払が遅れることがあっても期限の利益を喪失することはないと誤信したことには無理からぬものがあるというべきである。

(4) そして,上告人は,被上告人が期限の利益を喪失していないと誤信していることを知りながら,この誤信を解くことなく,第5回目の支払期日の翌日以降約6年にわたり,被上告人が経過利息と誤信して支払った利息制限法所定の利息の制限利率を超える年29.8%の割合による金員等を受領し続けたにもかかわらず,被上告人から過払金の返還を求められるや,被上告人は第5回目の支払期日における支払が遅れたことにより既に期限の利益を喪失しており,その後に発生したのはすべて利息ではなく遅延損害金であったから,利息の制限利率ではなく遅延損害金の制限利率によって過払金の元本への充当計算をすべきであると主張するものであって,このような上告人の期限の利益喪失の主張は,誤信を招くような上告人の対応のために,期限の利益を喪失していないものと信じて支払を継続してきた被上告人の信頼を裏切るものであり,信義則に反し許されないものというべきである。

これと同旨の原審の判断は是認することができる。論旨は採用することができない。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

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posted by 過払い太郎 at 2009年09月15日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最高裁平成21年9月4日判決(不法行為)

これは、
「貸金業者が借主に貸金の支払を請求し借主から弁済を受ける行為が不法行為を構成する場合」に関する最高裁平成21年9月4日判決です。

この判断は、消費者側に厳しい結果となったようです。

私自身、不法行為については、
知っているようで知らない状態ですので、
正直、今回の判断の影響は、よく分かりません...。

遅ればせながら、情報収集を開始しましたので、
関連情報は、改めてエントリーする予定です。

判決原文については、「最高裁判例」の「全文」をご覧下さい。

↓↓↓↓↓↓ ここから 判決 ↓↓↓↓↓↓

主 文

原判決中予備的請求に関する部分についての本件上告を棄却する。
その余の本件上告を却下する。
上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小澤克介の上告受理申立て理由について

1 本件は,上告人が,貸金業者である被上告人に対し,主位的に,取引期間を異にする二つの基本契約に基づき行われた継続的な金銭消費貸借取引を一連のものとみて,上記各取引に係る各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の制限利率を超えて利息として支払われた部分(以下「制限超過部分」という。)を元金に充当すると,過払金が発生しており,かつ,被上告人は過払金の受領が法律上の原因を欠くものであることを知っていたから悪意の受益者に当たると主張して,不当利得返還請求権に基づき,上記過払金の返還及び民法704条前段所定の利息の支払を求めるとともに,予備的に,被上告人が過払金を受領し続けた行為は不法行為を構成すると主張して,不法行為による損害賠償請求権に基づき,上記過払金相当額の損害の賠償及び遅延損害金の支払を求める事案である。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。

 (1) 被上告人は,貸金業法(平成18年法律第115号による改正前の法律の題名は貸金業の規制等に関する法律。以下,同改正の前後を通じて「貸金業法」という。)3条所定の登録を受けた貸金業者である。

 (2) 上告人は,昭和55年11月12日,被上告人との間で,極度額の範囲内で継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される金銭消費貸借に係る基本契約を締結した上,これに基づき,同日から平成9年1月13日までの間,原判決別紙計算書3「借入金額」欄記載の金員合計116万8670円を借り入れ,同計算書「弁済額」欄記載の金員を弁済した(以下,この間の取引を「第1取引」という。)。

第1取引における利息の約定は年47.45%ないし年36.47%であり,上記各弁済金のうち制限超過部分を元金に充当すると,昭和60年9月2日以降過払金が発生し,その額は,第1取引の最終日である平成9年1月13日の時点において266万0791円を下回ることはない。

 (3) 上告人は,平成16年9月29日,被上告人との間で,第1取引と同様の基本契約を改めて締結した上,これに基づき,同日から平成19年1月5日までの間,原判決別紙計算書4「借入金額」欄記載の金員合計62万3000円を借り入れ,同計算書「弁済額」欄記載の金員を弁済した(以下,この間の取引を「第2取引」という。)。

第2取引の最終日である平成19年1月5日の時点において貸金残元金があり,第2取引に基づく過払金は発生していない。

3 原審は,上記事実関係の下において,第1取引と第2取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することはできず,かつ,第1取引に基づいて発生した過払金に係る不当利得返還請求権の消滅時効が完成したと判断して上告人の主位的請求を棄却すべきものとするとともに,被上告人が過払金を受領し続けた行為が違法であるとはいえないと判断して上告人の予備的請求も棄却した。所論は,上告人の予備的請求を棄却した原審の上記判断の法令違反をいうものである。

4 そこで検討するに,一般に,貸金業者が,借主に対し貸金の支払を請求し,借主から弁済を受ける行為それ自体は,当該貸金債権が存在しないと事後的に判断されたことや,長期間にわたり制限超過部分を含む弁済を受けたことにより結果的に過払金が多額となったことのみをもって直ちに不法行為を構成するということはできず,これが不法行為を構成するのは,上記請求ないし受領が暴行,脅迫等を伴うものであったり,貸金業者が当該貸金債権が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながら,又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに,あえてその請求をしたりしたなど,その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合に限られるものと解される。この理は,当該貸金業者が過払金の受領につき,民法704条所定の悪意の受益者であると推定される場合においても異なるところはない。

本件において,被上告人の上告人に対する貸金の支払請求ないし上告人からの弁済金の受領が,暴行,脅迫等を伴うものであったことはうかがわれず,また,第1取引に基づき過払金が発生した当時,貸金業法43条1項(平成18年法律第115号による改正前のもの)により,制限超過部分についても一定の要件の下にこれを有効な利息債務の弁済とみなすものとされており,しかも,その適用要件の解釈につき下級審裁判例の見解は分かれていて,当審の判断も示されていなかったことは当裁判所に顕著であって,このことからすると,被上告人が,上記過払金の発生以後,貸金債権が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながら,又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのにあえてその請求をしたということもできず,その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠くものであったとはいえない。したがって,被上告人が民法704条所定の悪意の受益者であると推定されるとしても,被上告人が過払金を受領し続けた行為は不法行為を構成するものではない。

原審の前記判断は,これと同旨をいうものとして是認することができる。論旨は採用することができない。
なお,上告人は主位的請求に関する部分についても上告受理の申立てをしたが,その理由を記載した書面を提出しないから,同部分についての上告を却下することとする。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

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posted by 過払い太郎 at 2009年09月10日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 判例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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